著者
松永 勝彦 チムディ ウイロンロン ディーン グリサダ スワンゲアンシィ ジュンプル 戸屋 健治
出版者
The Society of Sea Water Science, Japan
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.373-376, 1999

湾内に生育する7種類のマングロブ樹木の葉ならびにマングロプ底泥のC, N含有量ならびにδ<SUP>13</SUP>C値を測定した. 枯れ葉のCIN比は103±20で, 底泥のその比15.2±1.4と大巾に異なっていた. 一方, 枯れ葉ならびに底泥のδ<SUP>13</SUP>C値はそれぞれ-30.2±1.3,-26.3±1.0‰であった. 底泥の値は数編ポジティブであるが, 底泥中でバクテリアによるフラクショネションによるもので, 底泥の有機物質起源は落下した葉と推定される. エビの養殖地の排水はキャネルを通して湾内に流入しているが, キャネルの底泥のδ<SUP>13</SUP>C値は-26.4±1.0‰でマングロブ底泥のそれと極めて近似していることから, エビの餌 (δ<SUP>13</SUP>C=-22.5±0.4‰) による影響はほとんど受けていないと推定される.