著者
チャイキェンカイ アマタ 竹下 侑花 柴田 雅史
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.439-448, 2012-11-20
被引用文献数
1

Fe源,構造形成剤の除去方法およびメソポーラスシリカの型がFe含有メソポーラスシリカの紫外線吸収能に与える影響を検討した。また,これらFe含有メソポーラスシリカの紫外線防御剤としての可能性を,薄膜にしたときの紫外線透過性,外観色,光触媒活性により評価した。<br>FeアセチルアセトナートをFe源としたMCM-41型を焼成した試料が最も良好な紫外線吸収能を示した。ただし,鉄濃度が高くなる(Fe/Si ≥ 0.02)と薄茶色の外観となった。一方,FeアセチルアセトナートをFe源としたHMS型またはMCM-41型で溶媒抽出によって構造形成剤を除去した試料は紫外線吸収能は前述のものより劣るものの外観色は白色であった。<br>焼成したFe-MPS試料(Fe/Siモル比=0.02)の水分散物の薄膜は,シリカ表面処理をした酸化チタン水分散物と同程度の紫外線透過挙動であった。また光触媒活性もみられなかった。これらのことからFe含有メソポーラスシリカは紫外線吸収剤としての可能性があるものと考えられる。