著者
ツェレンプル バトユン
出版者
鳥取大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

馬乳酒はモンゴルの伝統的で代表的な乳製品であり、モンゴル国内外で健康的な食品へ関心と馬乳酒の需要が増加しているため、高品質の馬乳酒を生産する伝統的知識の記録と、要因の解明が重要である。国全体で聞き取り調査をおこなった結果、馬乳酒生産は中央部および南部、西部で盛んであった。高品質の馬乳酒生産に重要だと多くの牧民に認識されている項目は、牧民の技術、酵母の選択、植物の種類であった。馬乳酒生産用のウマの行動圏は、搾乳時間帯(日中)より非搾乳時間帯(夜間)で大きかった。これは水場や塩類露出地域、食物の利用可能量の空間分布が影響したと考えられ、放牧地の選択とウマの管理手法の重要性が示唆された。