著者
トラン ヴァン・トウ
出版者
Japan Association for Comparative Economic Studies
雑誌
比較経済体制学会年報 (ISSN:13484060)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.30-36,75, 2003-06-30 (Released:2009-07-31)
参考文献数
12

本稿は,計画経済・社会主義経済システムから市場経済への移行問題を経済学的に分析するための理論的枠組みの構築を試みたものである。この分析は,経済移行と経済開発という2つの視点を同時に把握し,開発メカニズムと移行戦略を総合して1つの理論的枠組みで展開したことが特徴的である。また,このペーパーは,中国やベトナムのような社会主義国であると同時に途上国でもある国にとって、ショックセラピー(急進主義)ではなく,グラデュアリズム(漸進主義)という移行戦略が有効であることも改めて示している。