著者
瀧川 具弘 バハラヨーディン バンチヨー 小池 正之 ウサボリスット プラティアン
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.60-67, 2002-09-01
参考文献数
10
被引用文献数
2

タイ製コンバインを用いた稲収穫作業受託者の役割と活動状況についてタイ国中央平原の Nong Pla Mor 区での聞き取り調査結果を中心に報告した。タイ製コンバインは普通コンバインの一種で, 価格は輸入製品に比べ安価であった。このコンバインは, 1990年代初めから普及し始め, 現在は約3,000台程度が稼働している。収穫作業委託は, 経費が安価で, かつ適期に短時間で作業が実施できる点で評価されていた。Nong Pla Mor 区では後継者がいる農家は少なく, 将来はコントラクタへの作業全面委託を選択肢と考える農民が多かった。この種のコントラクタは100km以上に及ぶ地域を移動しながら年間7月以上にわたって受託収穫作業を行っていた。このような広範囲での活動は, 作業受委託を仲介する地域の実力者でもある仲介者 (タイ国でナイナーと称する) によって支えられていた。