著者
フイホァン ブイ 小田 昌宏 北坂 孝幸 三澤 一成 藤原 道隆 森 健策
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.195, pp.81-86, 2010-08-27
被引用文献数
2

本稿では多クラスAdaBoostを用いた3次元腹部CT像における下腹部血管領域への血管名自動対応付けの改善手法を提案する.従来手法では,3次元腹部CT象から血管領域を抽出し,血管木構造を作成する.次に,各血管枝の候補血管名を多クラスAdaBoostを用いて求めた後,大局的な最適化処理により,最終的な血管名を決定する.しかし,この手法では,識別器により誤って対応付けた枝が多く生じた.また,最適化処理を行うとき,最適化条件を満たす2つの枝組み合わせが存在するとき,探索優先順に選ぶため,誤対応付けも発生していた.そこで本稿では,この問題を防ぐために,(1)対応付ける対象血管グループのさらなる分割する;(2)識別器用の特徴量追加;(3)最適化処理改善について検討する.提案手法を3次元CT像から抽出した動脈領域データ14例に対して適用した結果,血管名対応付けの平均再現率は88.5%であった.