著者
藤原 道隆 岩田 直樹 三澤 一成 丹羽 由紀子 高見 秀樹 田中 千恵 小寺 泰弘
出版者
日本VR医学会
雑誌
VR医学 (ISSN:13479342)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-14, 2020-01-10 (Released:2021-02-05)
参考文献数
46
被引用文献数
1 1

It has been about 20 years since the commercial use virtual reality (VR) surgical simulator was launched. We have used VR surgical simulator for surgical education from early stage. At present, the weight of the VR simulator in current surgical education is lower than initially expected. This has been mainly due to the discord between the expectation for the functions of the VR simulator of the coaching surgeon and the actual use of the VR simulators without essential comprehension of simulation training. In addition, the focus of developers of the VR simulators has been besides the points. In this article, we summarize the situation of VR simulator so far, and describe the future measures of surgical training using VR simulators more effectively from the view point of clinician.
著者
野口 悟司 相木 一輝 藤井 雄介 藤原 道隆
雑誌
第96回日本医療機器学会大会
巻号頁・発行日
2021-12-10

2019年3月に名古屋大学附属病院が国立大学附属病院として初めてJCI(Joint Commission International)に認証された.医療機器はJCIでは「施設の管理と安全性」に分離され,主な項目は,医療機器は病院全体を通して購入から廃棄まで計画に沿って管理されているか,また,すべては台帳化され適宜・適正に更新されているか,その他,すべて機器を対象にした管理体制等を審査される.我々は当審査を受審するにあたり,数々の書類や設備を整え教育を受け準備をおこなった.しかし,本審査の目的は,評価されることにより,本来の「医療の質と患者安全の提供」を具現化することで,実際に患者にとって安全な医療機器を提供の是非を再認識するに至った.それらを実施するには臨床工学技士だけの業務範疇に止まらず,診療現場の医師や看護師,事務部門の理解と協力を無くしては対応できないと判断し,当院はそれらのことを総合的にマネジメントする医療機器総合管理部を創設した.人員構成は医療機器管理責任者(医師)を中心に専属臨床工学技士に加え,管理課職員とした.主な業務として,新規購入機器の選定と更新機器の購入計画の調整と実施,医療機器に関するインシデント報告と不具合報告の同時入力のシステムを作り,事例の対応.また,創設当初から院内の医療機器の実態把握を目的に,各部署の棚卸の実施を段階的におこない,現在,50部署の内42部署を実施した.棚卸をおこなったことで,部署の器材庫などに未使用の機器もあり,実施した部署の全体像が確認できた.また,台帳上の14,000台以上に及ぶ医療機器の点検について,コメディカルだけではなく医師や看護師の協力を得るため,当院独自の機器のリスク度や管理体制を考慮し点検クラス分類をおこない,それに準じた方法を検討して実施に向けている.今回,我々は医療機器総合管理部の創設の意義と,JCIの再審査に鑑み病院全体の医療機器を対象におこなった2年の活動の経過と課題を報告する.
著者
小山 博史 柏木 公一 中口 俊哉 黒田 嘉宏 金井パック 雅子 井野 秀一 藤原 道隆 足立 吉隆 江頭 正人 松井 邦彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

研修医や新人看護師など医療者のリアリティショックによるPTSDや早期離職が社会問題となっている。その理由の一つに臨床現場における多重課題に対する訓練不足が指摘されている。本研究では、現実世界での経験が困難な多重課題の臨床現場をバーチャルリアリティ(以下VR)技術を用いて仮想世界に再現し、多重課題シナリオを被験者(熟練者と初心者)に体験させ、その際の被験者の観察箇所や判断データを取得し、ヒューマンファクターデータとともにデータマイニング手法を用いた解析により多重課題における意思決定要因の解明と今後の臨床現場でのナビゲーションの基礎となる意思決定支援モデルの作成に関する研究を行う。
著者
ホァン ブイフイ 小田 昌宏 二村 幸孝 北坂 孝幸 三澤 一成 藤原 道隆 森 健策
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.389, pp.395-400, 2012-01-12
参考文献数
8

外科手術における医師の血管構造把握を支援するため,我々は腹部血管を対象とした血管名自動命名法の研究を行ってきた.この手法は,抽出した血管領域から血管木構造を作成し,血管木構造の各血管枝ごとに多クラスAdaBoostを用いた識別器により血管名を命名する.しかし,識別器の誤分類により誤った名前を命名されたり名前なしと命名された血管枝が多数存在した.そこで,新しい特徴量を追加し,更にAdaBoostに用いる識別器学習時の重み調整により,識別器の命名対象血管に対する命名性能を向上させた.提案手法を3次元CT像38症例に適用したところ,血管名命名の平均再現率と平均適合率はそれぞれ87.6%と72.5%であった. We have developed an automated anatomical labeling method for the abdominal arteries to support understanding of the structure of the arteries for doctors in abdominal surgeries. This method labels artery names by using classifiers constructed with the multi-class AdaBoost. However, miss-labelings of the classifiers were caused in many cases. In this paper, we present a method to improve artery name labeling performance by adjusting weights of the classifiers of the AdaBoost. We also introduce new future values for the classifiers. We applied the proposed method to 38 cases of 3D contrasted abdominal CT images. The average recall and precision rates of the proposed method were 87.6% and 72.5%, respectively.
著者
フイホァン ブイ 小田 昌宏 北坂 孝幸 三澤 一成 藤原 道隆 森 健策
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.195, pp.81-86, 2010-08-27
被引用文献数
2

本稿では多クラスAdaBoostを用いた3次元腹部CT像における下腹部血管領域への血管名自動対応付けの改善手法を提案する.従来手法では,3次元腹部CT象から血管領域を抽出し,血管木構造を作成する.次に,各血管枝の候補血管名を多クラスAdaBoostを用いて求めた後,大局的な最適化処理により,最終的な血管名を決定する.しかし,この手法では,識別器により誤って対応付けた枝が多く生じた.また,最適化処理を行うとき,最適化条件を満たす2つの枝組み合わせが存在するとき,探索優先順に選ぶため,誤対応付けも発生していた.そこで本稿では,この問題を防ぐために,(1)対応付ける対象血管グループのさらなる分割する;(2)識別器用の特徴量追加;(3)最適化処理改善について検討する.提案手法を3次元CT像から抽出した動脈領域データ14例に対して適用した結果,血管名対応付けの平均再現率は88.5%であった.
著者
森 健策 藤原 道隆 末永 康仁 末永 康仁 北坂 孝幸 目加田 慶人 三澤 一成
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では大規模仮想化人体データベースを構築し、それを基に医用画像の認識理解を行うことで、診断や治療を融合的に支援する手法を検討する。特に、大規模仮想化人体データベースに基づいた新しい医用画像認識理解手法について取り組む。本研究では、600例程度の仮想化人体データベースを構築した。また、仮想化人体データベースを利用して、臓器形状の差異を画像クラスタリングを利用して分類し、その結果を用いて腹部CT像から主要臓器を認識理解する手法を実現した。さらに、その結果を内視鏡手術の診断治療支援に利用する方法を検討した。