著者
吉岡 真一 パイサンチャルン コブキェト ビブルスク ノングラク ソムナス パイローツ ブンヨン ブンラート ワンウィワチャイ チャイローツ シチュウォング ピシット 清野 豁
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.231-236, 1989

タイ国東北地域に広汎に分布する砂質土壌の作物生産性を究明するたあ, コンクリート框 (3×3m) に6種の土壌を填め, 作物を栽培した.<BR>砂質土壌3種は中/高位段丘の灰色ポドソル, さらに1種は低位段丘に分布する低腐植質グライ土, また粘土質土壌2種は赤褐色ラテライト性土壌で丘陵地帯からそれぞれ採取した.砂質土壌は高い固相率, 比較的高い有効水分, 極あて低い非有効水分, pH, C, N, CECが特徴的である.<BR>標準施肥下のトウモロコシでは砂質土壌区は粘土質土壌区に比べて乾物生産 (稈+子実) は劣ったが, 乾害による不稔穂が少なく子実重はむしろ優った.<BR>トウモロコシ収穫後, 試験区を2分し, ソルガムとシマツルア<BR>ズキ (ライスビーン) を潅水, 無施肥, トウモロコシ稈マルチで栽培した.ソルガムは砂質土壌 (低位段丘を除く) ではほとんど生育伸長せず, 他はほぼ順調に生育した.ライスビーンは砂質土壌でやや生育が遅延し, 粘土質土壌区で過剰繁茂する傾向となり, 結果的に同程度の収量を示した.<BR>以上の過程で, 養水分利用について若干の測定を実施し, 砂質土壌の低肥沃性を解明した.