著者
ポンキッティパン ティーラポン 齋藤 大輔 峯松 信明 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.81, pp.7-12, 2012-06-07

本稿ではeigenvoiceに基づくキャラクター変換の一手法を提案する。273名の話者から構築したeigenvoice話者空間と,セミプロの声優から収録した三種類のキャラクタ声を用いて,キャラクター変換を実装する。ここでは任意の入力話者に対して,その話者の個人性を保存しつつ,声のキャラクターのみを変換する。母語話者及び非母語話者を対象に,キャラクター変換前後の合成音声を用いた聴取実験を行なった。その結果,意図されたキャラクター差異が十分に知覚されることが示された。更に,セミプロの声優による二キャラクターにおいて基本周波数差異が小さい場合でも,対応する合成音声から,十分にキャラクター差異を知覚できることが示された。これは,キャラクター変換の場合,スペクトルに基づく変換が不可欠であることを意味している。また,セミプロによる三キャラクタ声と提案手法による三キャラクタ声との音響分析により,本提案手法が適切な変換を実装できていることも確認できた。