著者
津田 修治 マイク D. フェターズ
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.318-323, 2013 (Released:2014-01-10)
参考文献数
25

目的:欧米における外来プリセプティングの制度や方法とそのエビデンスの文献調査をする.方法:PubMedを用い,家庭医療や一般内科の外来研修のプリセプティングに関する文献をレビューした.309件の文献から日本の家庭医療後期研修のヒントという観点で,選択・除外基準に基づき,18の文献を精読して,テーマを抽出した.結果:プリセプティングのスタイルはプリセプターが専任であることが効果的だった.プリセプティングは症例のプレゼンテーション後に5分前後のディスカッションで,主に診断・治療に焦点が当てられた.プリセプティングの場でEBMや心理社会的な問題,フィードバックは少なかったが,それらを増やす試みとして,one minute preceptorや学習者中心のプリセプティングのSNAPPSの技法が効果的だった.結論:外来プリセプティングでは,EBMや心理社会的問題も含めて議論し,フィードバックなど教育的なディスカッションを効率的にする試みがなされていた.