著者
横矢 直和 マーチンD.レビン
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.8, pp.944-953, 1989-08-15
被引用文献数
9

3次元物体のモデル化と認識を目的とした距離画像解析の初期段階において最も重要な処理はセグメンテーションである.本論文では この問題に対して領域およびエッジに基づくハイブリッドな手法を提案する.距離画像のセグメンテーションを 観察方向に不変な微分幾何学特徴が一様でかつ 距離と法線ベクトルに関する不連続点を含まないような表面領域への分割と定義する・この分割を実現するために まず汲初に初期分割としてルガウス曲率と平均曲率の符号の組合わせに基づく 座標のとり方と観察方向に不変な画素分類(曲率符号マップ)を行い 同時に 距離の不連続点(ジャンプエッジマップ)と法線ベクトルの不連続点(ルーフエッジマップ)を抽出する.そして最後に この3種類の初期分割マップを統・合することによって最終的な分割を得る・本手法は 距離画像を物体の部分表面に対応した領域に分割するとともに 各面を物体認識の観点から重要な観察方向不変な8つの基本曲面タイプに分類することもに また 本手法は多面体と自由曲面物体が混在するような複雑なシーンに対しても有効である.これは人工データとレーザレンジファインダから得られた実データを用いた実験によって確かめられた.