著者
ミヤモト エジソン 中村 美智子
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.128, pp.113-129, 2005-12-25 (Released:2007-10-23)
参考文献数
27

小泉・玉岡(2004)は,二重目的語を伴うかき混ぜ文ともとの文に対する反応侍間を比較し,結果の違いが二つの文の統語構造の違いによるものであると主張した.本稿では,新聞コーパスから得た頻度や被験者に行なった文完成作業の結果をもとに,かき混ぜ文が比較的まれな現象であることを示し,かき混ぜ文に対する反応時間を扱う際,頻度の影響が問題となることを指摘する.また,日本語かき混ぜ文の即時処理モデルを例示し,小泉・玉岡が考慮すべき様々な問題を提示する.