著者
リア ロサリア ウィカンタリ 鳴海 邦碩
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.325-330, 1999
被引用文献数
2

この研究は、伝統的な木造家屋に対する重要性および現代的なライフスタイルに対する適応性の居住者自らの評価と将来性の改造に関する意向、さらには木造家屋での生活の不便さや将来の保存に関する意向を分析することを通じて、伝統的木造家屋の持続可能性とその方策を論じたものであり、以下の点が明らかになった。(1)多くの住民(平均的には60%以上)が、伝統的木造家屋を、重要であり、適応性があり、好ましいもので、保存に値すると考えている。(2)しかし、基本的に遺産分割の理由によって丸ごとの売却や移築の傾向が増加するとともに、改造が不可避的・継続的に起こる傾向にある。(3)住民の将来の改造に関する姿勢は、木造家屋に住むことを好んでいるかどうかおよび年齢と関連している。以上の結果を踏まえ、伝統的な木造家屋の持続可能性を推進するための方策を示唆した。