著者
人見 滋樹 前里 和夫 レシャード カレッド 高橋 憲太郎 永田 格 奥田 正 鈴木 庸
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.151-160, 1981-06-10 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15

甲状腺癌23例について治療成績を中心に, 性, 年令, 組織型, 予後について報告した.I131の摂り込み陽性の16例のうち, RI療法は2例で完全寛解・13例で腫瘍縮小効果がみられ, 無効は摂り込みの極めて少なかった1例のみであった.RI療法により転移巣の縮小と減少がみられた1例で, 両側肺転移巣の切除を行なった.切除標本からRI療法の効果を組織学的に確認しえた.肺転移は女性に高率で予後は若年発癌者の方が良好であった.乳頭腺癌と濾胞腺癌とでは肺転移率と予後に差異はなかった.