- 著者
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井上 修平
鈴村 雄治
高橋 憲太郎
- 出版者
- The Japanese Respiratory Society
- 雑誌
- 日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.9, pp.861-866, 1994-09-25 (Released:2010-02-23)
- 参考文献数
- 10
48歳, 男性に発症した間質性肺炎を経験した. 給湯用の銅管溶接作業に従事し, 約7時間の作業終了前頃より悪寒, 発熱がみられ, 呼吸困難となり紹介入院となった. 胸部X線写真で両肺野のスリガラス様陰影があり, 動脈血ガスは PO2 34.5Torr, PCO2 29.4Torr と著明な低酸素血症を示していた. 経気管支肺生検では胞隔へのリンパ球浸潤や線維化がみられ, 肉芽腫性肺臓炎の所見を呈した. 症状および胸部X線異常陰影はステロイド剤の投与で軽快した. この間質性肺炎の原因として銅管溶接時に使用した銀ろうに含まれるカドミウムフュームが考えられた. 本論文で自験例を掲示し, 若干の文献的考察を加えて報告した.