著者
ロドリゲス ロメロ F. ラガルダ フィゲラス A. ウリベ アルコセル M. ロハス ララ M. L.
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.180-184, 1979
被引用文献数
3

アメリカガキCrassostrea virginicaの地方種群について, 染色体レベルでの比較検討の可能性をさぐる目的で"G"バンドパターンを調べた。メキシコ湾タバスコ地方のマンチョナ礁湖産アメリカガキの生殖巣から, エア・ドライ法(著者等1978)により染色体標本を作成し, BAKER等(1975)の簡易法で"G"バンドを観察した(第1図)。"G"バンドパターンは対合する染色体で完全に一致した。各染色体対ごとのバンド数は第1表に示すとおりであり, 各染色体のバンドバターンは第2図のようである。アメリカガキ地方種群の間には生理的変異のあることが知られているが(LOOSANOFF and NOMEJKO 1951, STAUBER 1947)そのような変異が染色体上に反映しているかどうか, 各地の種群についてこの方法で確めるのが今後の課題である。抄択 稲葉明彦