著者
高橋 順一 加藤 啓一 工藤 孝志 一瀬 悦史 竹澤 雄基 髙間 晶子
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.597-601, 2017-08-31 (Released:2017-08-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1

背景:日本赤十字社は効率的にBLS教育を実施できる学校向けのプログラムとして,『救急蘇生法の指針2010(市民用・解説編)』 1) で設定された「入門講習」などに基づき,「児童・生徒のための救命手当短時間プログラム」を新設した。目的:本プログラムの受講者である小学生の受講前後の救助意欲とBLSに関する知識の変化について,比較評価を行うことである。方法:秋田県と大阪府の小学生に対して本プログラム(1単元:45分間)を開催し,受講児童に対し講習前後に同じアンケート調査を行った。結果:秋田県が286名,大阪府が405名の総計691名の小学生全員から調査票を回収し得た。救助意欲の変化は受講前の68%から97%となり,救助知識においても受講前に比べて,受講後は全体的に向上した。考察:小学生に対して45分間のBLS教育を行うことにより,BLSに関する基本的な知識を習得すること,救助意欲を向上させることは可能である。