著者
落合 香苗 齋藤 豊 種田 益造 加藤 啓一
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.125-132, 2011-03-15 (Released:2011-06-02)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

automated external defibrillator(AED)の普及に伴い,医療機関内で医師がAEDを操作する機会も増加している。我々は医師がショック適応と認識した心電図波形に対してAEDがショック不要と判断した2症例につき事後にデータを検証した。事例1:78歳,男性。前立腺腫瘍精査目的に入院し,病棟で心肺停止となりAEDを用いた心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation; CPR)が実施された。AEDモニター画面で医師が心室性頻拍(ventricular tachycardia; VT)と認識した心電図波形に対し,AEDはショック不要と判断した。事後検証にてこのVTは心拍数が少ないためショック適応外と判断されたことが判明した。事例2:56歳,女性。骨髄腫の化学療法入院中に心肺停止となりAEDを用いたCPRが実施された。AEDモニター上で医師はVTを認識したが,AEDはショック不要と判断した。事後検証にてこのVTはAEDの心電図解析中または充電中に振幅が減衰したためショック適応外と判断されたことが判明した。AEDは AHA(American Heart Association)とAAMI(Association for the Advancement of Medical Instrumentation)の勧告に基づいて,一般市民による誤ったショック実行を避けるため,感度より特異度を重視した設計となっている。医師はAEDの機能や性能限界を認識するとともにAEDの機種特性について精通し,AEDを使用したCPR中でも手動での除細動に切り替える必要性を常に考慮すべきである。
著者
高橋 順一 加藤 啓一 工藤 孝志 一瀬 悦史 竹澤 雄基 髙間 晶子
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.597-601, 2017-08-31 (Released:2017-08-31)
参考文献数
8
被引用文献数
1

背景:日本赤十字社は効率的にBLS教育を実施できる学校向けのプログラムとして,『救急蘇生法の指針2010(市民用・解説編)』 1) で設定された「入門講習」などに基づき,「児童・生徒のための救命手当短時間プログラム」を新設した。目的:本プログラムの受講者である小学生の受講前後の救助意欲とBLSに関する知識の変化について,比較評価を行うことである。方法:秋田県と大阪府の小学生に対して本プログラム(1単元:45分間)を開催し,受講児童に対し講習前後に同じアンケート調査を行った。結果:秋田県が286名,大阪府が405名の総計691名の小学生全員から調査票を回収し得た。救助意欲の変化は受講前の68%から97%となり,救助知識においても受講前に比べて,受講後は全体的に向上した。考察:小学生に対して45分間のBLS教育を行うことにより,BLSに関する基本的な知識を習得すること,救助意欲を向上させることは可能である。