著者
片山 直美 足土 由里佳 一野 晃代 長坂 恵樹子 加藤 江理 伊藤 えり 太田 陽子 梶川 典子 蟹谷 未香 下林 真知子 恒川 小百合 早川 ちひろ 楪葉 真由 藤本 保志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Suppl.2, pp.S125-S132, 2010 (Released:2011-12-01)
参考文献数
6

日本人の食の満足に及ぼす影響が大きい主食である「飯」に注目し、おいしく簡単に炊き上げるための工夫として、一般家庭で用いる炊飯器によって炊飯した飯の 3 種類の水(純水、ミネラル水、水道水)による違いを検討した。さらに選択した水を用いて、嚥下食・介護食に用いることが可能な離水しにくい粥を作製するために 5 種類の増粘剤(トロミパーフェクト、ソフティア、つるりんこ、とろみ名人、スルーキング)を用いて違いを検討した。方法として被験者である健康成人女性 92 名により各飯の「味」、「香り」、「見た目」、「総合」における官能試験を 5 点満点で評価し、物性を硬さ・粘り計(サタケ製)にて「弾力性」、「硬さ」、「粘り」、「バランス」について評価した。結果、無洗米の炊飯の際に用いる水は純水が最も高い評価であり、熱湯で炊飯することで、加水する時間なしで十分に評価の高い飯が炊き上がることが分かった。また離水しにくい粥も同様に熱湯を用いて加水する時間なしで炊き上げ可能であった。増粘剤を用いることで時間が経っても離水せず、軟らかい粥ができるため、嚥下食・介護食に適していることが分かった。