- 著者
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佐々木 均
三上 暁子
- 出版者
- The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
- 雑誌
- 衛生動物 (ISSN:04247086)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.63-71, 2007-06-15 (Released:2016-08-06)
- 参考文献数
- 10
- 被引用文献数
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4
堆肥とその浸出液である「れき汁」から発生するハナアブ科の種を,北海道江別市と静内町で産卵羽化トラップ法によって調査した.また,発生が確認されたハナアブ類の卵,終齢幼虫,蛹の形態学的特徴を双眼実体顕微鏡と走査型電子顕微鏡を用いて観察した.その結果シマハナアブ(Eristalis (Eoseristalis) cerealis Fabricius)を優占種とし,ナミハナアブ(Eristalis (Eristalis) tenax (Linnaeus)),アシブトハナアブ(Helophilus (Helophilus) virgatus Coquillett),キタハナアブEristalis (Eoseristalis) Rossica Stackelberg),ホシメハナアブ(Eristalinus (Lathyrophthalmus) tarsalis (Macquart))が続く3属5種のハナアブ類がれき汁から発生することが確認された.形態学的特徴を見ると,卵殻表面のユニットの形態では分類するのは困難であるが,アシブトハナアブのみ中央の凹みがなく,他の4種と異なった. 3齢幼虫では,体表に生えている感覚棘毛や剛毛,棘,乳頭突起の形,太さ,長さおよび配列などが種を分ける重要な特徴として認められた.蛹では,前方気門や呼吸角の長さや形態に相違が見られ,前方気門の形で種を容易に判別できることが明らかとなった.