著者
當間 孝子 宮城 一郎 比嘉 由紀子 岡沢 孝雄 佐々木 均
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.65-71, 2005-06-15 (Released:2016-08-07)
被引用文献数
20 18

2004年6月12-18日に, 琉球列島の西表島の森林地帯の2ヵ所で, 蛙の声をCDプレイヤーで鳴らし, 直ぐ近くにCDCライトトラップを設置し蚊類を採集した.第一地点で合計777個体, 2地点で257個体のハエ目の昆虫が採集された.それらのうち, 次の4種の吸血性昆虫(雌)が両地点で目立って多く採集された.マックファレンチビカは第一地点で580個体(74.6%), 第二地点で193 (75.1), ヤエヤマカニアナチビカ19(2.4)と27 (10.5), ヤマトケヨソイカ106 (13.6)と20(7.8), また, ルソンコブハシカが第一地点のみで39個体(5.0%)が採集された.これらの蚊にケージ内でヌマガエルを暴露すると, 吸血行動が見られ, 多くの個体が吸血した.このことからこれらの蚊は自然界でカエルの鳴き声に誘引され, 吸血していると思われる.
著者
橋詰 淳哉 龍 恵美 能勢 誠一 宮永 圭 岸川 礼子 中村 忠博 室 高広 兒玉 幸修 山下 春奈 石井 浩二 佐々木 均
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.101-109, 2020 (Released:2020-04-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1 2

【目的】ナルデメジンは消化管のµオピオイド受容体に拮抗してオピオイド誘発性便秘(opioid-induced constipation: OIC)を改善するが,副作用として下痢が知られている.ナルデメジン導入後の下痢発現の予測因子についてオピオイド鎮痛薬投与期間に着目して解析した.【方法】2017年6月1日から2019年3月31日の期間に長崎大学病院においてナルデメジンをはじめて導入した患者を対象に後方視的調査を行った.【結果】調査対象は132名であり,下痢は33名(25.0%)に発現した.多変量ロジスティック回帰分析の結果,ナルデメジン導入前のオピオイド鎮痛薬投与日数8日以上は下痢発現と有意に関連した(オッズ比:3.76, 95%信頼区間:1.53-9.20, p=0.004).【考察】OICに対してナルデメジンを使用する場合,オピオイド開始後7日以内に使用することで,下痢の発現を回避できる可能性が示唆された.
著者
佐々木 均 石川 陽司 助廣 那由
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.311-315, 2009-12-15 (Released:2016-08-06)
参考文献数
17

The tabanid fly fauna and their seasonal prevalence were surveyed with a mosquito-net and NZI traps baited with 2kg of dry ice at 2 municipal pastures in Shibetsu and Rumoi, of north-western Hokkaido, Japan from June to September in 2005 and 2006. A total of 467 flies of 10 species in 5 genera were captured at Shibetsu, and 956 flies of 13 species in 6 genera at Rumoi. At Shibetsu, Tabanus nipponicus was the dominant species followed by Hybomitra distinguenda and T. trigeminus. Tabanus nipponicus was also the dominant species at Rumoi, followed by T. rufidens and T. chrysurus. Hirosia sapporoensis was abundantly captured in Rumoi but not collected in Shibetsu. The fly numbers showed a peak in late July at Shibetsu. In Rumoi, 2 peaks were observed in late July and late August probably due to the effects of rain fall during the collection day in early August.
著者
青山 修三 青山 達哉 間瀬 信継 佐々木 均
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.219-222, 2013-12-25 (Released:2014-06-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

Japanese cockroach Periplaneta japonica (Stoll) was collected at a Japanese common wooden house and in a shrine of Hokkaido Jingu, and Maruyama Park in Sapporo city. In Hokkaido, this species was recorded only from the coastal area of the southern parts and Otaru city up to present. Therefore, these are the new records of this species from the landlocked city in Hokkaido, and the new record of invasion to a highly airtight house of Hokkaido.
著者
當間 孝子 宮城 一郎 比嘉 由紀子 岡沢 孝雄 佐々木 均
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.65-71, 2005
参考文献数
22
被引用文献数
2 18

2004年6月12-18日に, 琉球列島の西表島の森林地帯の2ヵ所で, 蛙の声をCDプレイヤーで鳴らし, 直ぐ近くにCDCライトトラップを設置し蚊類を採集した.第一地点で合計777個体, 2地点で257個体のハエ目の昆虫が採集された.それらのうち, 次の4種の吸血性昆虫(雌)が両地点で目立って多く採集された.マックファレンチビカは第一地点で580個体(74.6%), 第二地点で193 (75.1), ヤエヤマカニアナチビカ19(2.4)と27 (10.5), ヤマトケヨソイカ106 (13.6)と20(7.8), また, ルソンコブハシカが第一地点のみで39個体(5.0%)が採集された.これらの蚊にケージ内でヌマガエルを暴露すると, 吸血行動が見られ, 多くの個体が吸血した.このことからこれらの蚊は自然界でカエルの鳴き声に誘引され, 吸血していると思われる.
著者
中村 忠博 松永 典子 樋口 則英 北原 隆志 佐々木 均
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.3-9, 2013 (Released:2018-04-02)
参考文献数
15

慢性腎臓病(CKD)患者の多くは高齢者であり、腸の運動機能低下などにより、便秘を有する患者が多い。わが国では便秘の治療に、習慣性のない緩下剤として酸化マグネシウム(MgO)製剤が広く使用され長期投与されていることも多い。MgO製剤は、わが国だけでなく、欧米においても腎機能低下患者では慎重投与であり、使用する際には高Mg血症への注意が必要である。平成20年11月には医薬品医療機器等安全性情報により、MgO製剤の長期投与における「高マグネシウム(Mg)血症」についての注意喚起が図られている。腎機能低下患者に対するMgO製剤の腎機能とMgO製剤の用量に関するエビデンスはほとんど見当たらない。そこで、腎機能と高Mg血症の発現リスクおよびMgO製剤の用量と血清Mg値への影響を検討した。2010年4月1日〜2012年2月29日の期間にMgO製剤を使用し、血清Mg値および血清クレアチニン(Cr)値の検査を実施した患者を抽出した。その中でCKD診療ガイド2009において、病期ステージ3以上に分類されるeGFR<60 mL/min/1.73m2であり、血清Mg値および血清Cr値の検査時にMgO製剤を服用していた87例を対象とした。その結果、eGFRと血清Mg値に有意な相関関係が得られた。45≦eGFR<60の患者では、投与量と血清Mg値に有意な相関関係は認められなかった。eGFR<45の患者では投与量と血清Mg値に有意な相関が認められ、eGFR<15では、平均血清Mg値が正常範囲外まで上昇した。また、CKD病期ステージ5(eGFR<15)の患者では、血清Mg値が6 mg/dL以上がMgO製剤1000mg/日以上で認められ、eGFR<15の患者では1000mg/日以上の投与量では高Mg血症への厳重な注意が必要と考えられた。今回の研究結果より、eGFR≧45の患者では、eGFR<45の患者よりもMgO製剤は比較的安全に使用できることが示唆された。さらに、eGFR<45の患者も、血清Mg値の測定を行い、腎機能に応じた投与量を設定することで、MgOを安全に使用することが可能であることが示唆された。
著者
中川 博雄 伊東 潤一 岡田 昌之 岩村 直矢 今村 政信 北原 隆志 佐々木 均 室 高広
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.176-181, 2019-05-25 (Released:2019-11-25)
参考文献数
6

病棟配置された処置用の軟膏剤やクリーム剤に対して,これまでに管理方法や微生物汚染の実態を複数施設で調査した報告はない.そこで本研究では,長崎県病院薬剤師会感染制御ワーキンググループの会員施設で協力が得られた3施設を対象に,病棟配置された処置用の軟膏剤やクリーム剤の衛生管理に関する聞き取り調査および微生物汚染の実態調査を行った.さらに,病棟配置された処置用の軟膏剤やクリーム剤の開封後の使用期限について検討する目的で,基剤の異なる代表的な軟膏剤やクリーム剤に手指の常在微生物を塗布する評価法を用いて,微生物汚染までの期間を調査した.その結果,3施設いずれにおいても軟膏剤やクリーム剤の衛生管理マニュアルは整備されていなかった.また,微生物汚染の実態調査では,3施設の軟膏剤やクリーム剤128個全てで微生物汚染は認められなかった.さらに,実験による評価では,基剤の違いや防腐剤の有無に関わらず,6か月間にわたり軟膏剤やクリーム剤で微生物汚染は認められなかった.よって,処置用の軟膏剤やクリーム剤は直接素手で採取しないなどの衛生管理に注意を払えば,開封後6か月間まで使用可能であることが示唆された.
著者
西田 利貞 松本 晶子 保坂 和彦 中村 美知夫 座馬 耕一郎 佐々木 均 藤田 志歩 橋本 千絵
出版者
(財)日本モンキーセンター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

文化とされるチンパンジーの地域変異行動の学習・発達過程、伝播経路、習得率や、新奇行動の発生頻度と文化定着率を、タンザニア、マハレ公園のM集団を対象にビデオを用いて調査した。アリ釣りは3歳で始まり、5歳でスキルが向上し、7-8歳で完成する。対角毛づくろい(GHC)も社会的に学習され、相手は5歳頃母親に始まり、次に大人雌、9歳頃に年長雄となり、認知的に困難とされる道具行動より遅れて出現する。多くの文化行動は5歳以上のほぼ全員で確認したが、年齢や性に相違のある行動もある:葉の咬みちぎり誇示をしない雌がいる、灌木倒しは雄に限られ、水中投擲や金属壁ドラミングは大人雄のみなど。新奇行動のうち、赤ん坊の首銜え運搬、腹たたき誇示や水鏡行動は少なくとも他の1個体に社会的に伝播したが、まったく伝播しなかった行動もある。腹叩き、飲水用堀棒、乳首押さえなどの新奇行動は、個体レベルでは3-10年続くが、伝播せずに廃れる可能性が高い。一方、スポンジ作りやリーフ・スプーン、葉の口拭き、落葉かき遊びなどの新奇行動を示す個体は次第に増え、社会的学習に基づく流行現象と考えられた。覗き込みは子供の文化習得過程の1つで、採食、毛づくろい、怪我の治療、新生児の世話が覗かれる。年少が年長を覗く傾向は学習説を支持するが、大人の覗き込みは、他の社会的機能も示唆する。親子間や子供同士での食べ残しの利用は、伝統メニューの伝播方法の1つだ。新入雌が直ちに示すGHCなどの行動は、地域個体群の共通文化らしい。移入メスの急速なヒト慣れも、M群の態度を習得する社会化の過程と考えられた。ツチブタ、ヒョウなどM集団が狩猟しない動物の死体を食べないのは、文化の保守的側面であろう。一方、ヒヒがM集団の新メニューに加わる新奇行動の定着例もある。尿・糞によるDNA父子判定によると、子供の半数の父親が第1位雄で、集団外雄が父親になる可能性は低い。父子間の行動の比較が、今後の課題である。Y染色体多型分析から、Mと北集団の雄の祖先共有が示された。収集資料:DVテープ750本、写真1万枚、野帳220冊、骨格3体、昆虫標本900点、尿標本112個、糞標本139個。
著者
佐々木 均
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.835-840, 2015 (Released:2018-08-26)
参考文献数
5

フィジカルアセスメントとは,問診・視診・聴診・触診などを通して,患者の症状の把握や異常の早期発見を行うことである.チーム医療のなかで薬剤師は「薬の専門家」として医薬品適正使用や副作用の早期発見に貢献することが望まれている.そのための技能の1つがフィジカルアセスメントである.長崎大学病院では,早くから体系的なフィジカルアセスメント研修体制を構築し,施設や他職種による承認を受け,薬剤師によるフィジカルアセスメントを展開している.その概略と意義を本稿で紹介したい.
著者
佐々木 均
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.205-218, 2016-12-25 (Released:2017-10-12)
参考文献数
188
被引用文献数
1 1

Tabanids (Diptera: Tabanidae) is one of the most serious pest insect group against both humans and livestock. Tabanids' effects to livestock are transmission of some serious diseases such as bovine leukemia, surra and equine infectious anemia, irritation breeding daily gain and milk secretion loss. Tabanids also transmit Loa loa (Cobbold) to humans. Source control by chemical and mechanical methods has no effect due to the larvae of tabanids living under the soil sparsely. At the present, only trapping of adults is effective for controlling tabanids. Traps for capturing tabanids have been developed in two different ways. Some tabanid traps are diverted from tsetse fly traps in Africa such as Nzi trap, and others are developed for exclusive use in North America, Europe and Japan. The early traps attracted tabanids by their shapes and the visual and olfactory factors as attractant were added to the later traps to capture more flies. I reviewed the history of development on traps for capturing tabanids, visual and olfactory attractants for capturing tabanids and next generations of traps for capturing tabanids in this paper.
著者
佐々木 均 秦 和寿 野沢 森生 橋場 利雄
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.329-331, 2020-12-25 (Released:2020-12-17)
参考文献数
26

The role of zebra stripes is considered to be defensing from blood sucking by insects, such as tsetse flies and tabanid flies, those perform actively host-seeking flight. Aedes albopictus is opportunistically blood sucker, so, the reaction to zebra stripes may be different from such flies. Thus, we investigated the reaction of A. albopictus to the rugs of three color patterns, black, white, and zebra stripes. During the sunny days on August and September, 2019 with three different times in a day (morning, daytime, and evening), we counted the number of mosquitoes landed on the rugs on human decoy at a park in Tokyo. Significant difference (p<0.05) was found in the total number of mosquitoes landed on the three types of rugs, while no significant difference (p>0.05) was found in the numbers of mosquitoes landed on the rugs at each observation time. The number of A. albopictus which landed on the black-colored rug was two times more than that of a mosquito flying around the face of human decoy, while those on the rugs of white color and zebra stripes were a half and only 3% of those flying around the face of human decoy, respectively. The lured A. albopictus landed smoothly on the black rug, but the landings were not smooth on the zebra-striped rug. It was revealed that A. albopictus avoids zebra stripes as same as tsetse flies and tabanid flies.
著者
江頭 かの子 北原 隆志 柏木 香 樋口 則英 中嶋 幹郎 一川 暢宏 佐々木 均
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.126, no.11, pp.1155-1161, 2006-11-01 (Released:2006-11-01)
参考文献数
13
被引用文献数
5 5

Antimicrobial agents sometimes cause the adverse effects of diarrhea and loose stool. Antibiotic-resistant lactic acid bacteria are used to prevent these adverse effects. The bacteria are not resistant to several antimicrobial agents, although the bacterium preparations are sometimes prescribed the antimicrobial agents concomitantly. Therefore this paper reports that the minimal inhibitory concentration of three new antimicrobial agents against antibiotic-resistant lactic acid bacteria were determined using a microdilution method with cation-adjusted Mueller-Hinton broth. Furthermore, we investigated antimicrobial agents that are prescribed concomitantly with antibiotic-resistant lactic acid bacterium preparations or a clostridium butyricum preparation. The bacteria were susceptible to the three new antimicrobial agents. Approximately 50% of the bacterium preparations were prescribed alone, and 30% were prescribed concomitantly with antimicrobial agents that show antimicrobial activity against the bacteria. Consequently, we suggest that pharmacists need to confirm prescriptions and to provide more drug information on antibiotic-resistant lactic acid bacterium preparations.
著者
中川 博雄 松田 淳一 栁原 克紀 安岡 彰 北原 隆志 佐々木 均
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.8-12, 2011 (Released:2011-04-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

消毒剤の効果の要因の1つは,微生物と薬液の接触時間に依存する.そのため,速乾性手指消毒剤のゲル製剤およびリキッド製剤をそれぞれ3 mL擦り込んだ場合,ゲル製剤の方が長い時間を要することから,ゲル製剤はリキッド製剤に比べ,少ない擦り込み量で十分な擦り込み時間と消毒効果が得られる可能性が考えられる.本研究では0.2 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有エタノールゲル製剤の擦り込み量を変えて,リキッド製剤と消毒効果を比較検討した.その結果,ゲル製剤は1 mLでリキッド製剤3 mLと同等の効果を示した.さらに16種類のゲル製剤およびリキッド製剤について,揮発による重量変化率を測定した.ゲル製剤はリキッド製剤に比べて重量変化率が低く,粘度との間に相関を示した.
著者
中川 博雄 佐々木 均 室 高広
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.277-281, 2019-11-25 (Released:2020-05-27)
参考文献数
7

注射剤は患者の組織に直接取り込まれるため,薬剤師が無菌的な環境下で調製することが望まれる.しかし,一般病棟の非無菌的な環境下で,看護師による注射剤調製が行われている施設も少なくない.そのため,注射剤の微生物汚染による医療関連感染の問題も未だに散見される.感染対策に携わる薬剤師は,自施設の注射剤調製時の無菌操作や製剤の衛生管理の整備に努めるとともに,注射剤調製の作業手順に関して監督指導を行う立場でなければならない.本稿では,薬剤師による無菌的な環境下での注射剤調製の手順を見直すとともに,看護師による非無菌的な環境下での注射剤調製に関する注意点をまとめた.
著者
佐々木 均 竹田 洋介
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第55回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.45, 2003 (Released:2003-08-01)

吸血性アブ類が,ソバの授粉昆虫として果たす役割を知る目的で,2002年8月,北海道幌加内町内2ヶ所でNZIトラップを用いた吸血性アブ類の捕獲調査を行い,得られた個体の体表に付着した花粉をグリセリンジェリー法で採取し,酢酸カーミンで染色した後検鏡し,ソバの花粉か否かを調べた. その結果,ソバ畑隣接地で,アカウシアブを優占種とする4属8種合計77個体,ソバ畑から離れた湿性草地で,ゴマフアブを優占種とする5属9種164個体の吸血性アブ類が得られた.ソバ畑隣接地で得られた吸血性アブ類の74%が,ソバ畑から離れた湿性草地で得られた個体でも57%がソバ花粉を体表に付着させていて,他殖植物であるソバの受精に吸血性アブ類が関与していることが示唆された.
著者
樋口 則英 一川 暢宏 嶺 豊春 中嶋 幹郎 平井 正巳 佐々木 均
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.382-388, 2004-06-10
被引用文献数
1 2

In recent years, computerized prescription order entry systems have played an increasingly important role in medical risk management as such systems have become more sophisticated. Though prescription order entry systems enable us to access huge amounts of information in drug information databases on drug interactions, adverse reactions and so forth, it is very difficult to manage such large amounts of information. Prescription order entry systems have a prescription checking function but the master maintenance must be done properly for it to work well. With this in mind, we developed an improved system using a commercially available program, PC-ORDERING 2000 (NEC Corp.), to make it easier to use the master maintenance screen of the order entry system. In order to investigate the resulting improvements we did the following : 1) measured the improvement in input efficiency, 2) evaluated the improvement in reference functions, 3) evaluated the improvement in file output functions and 4) made a comparison with the existing system. As a result, we found that the required maintenance time with the improved system was reduced to 66% and considered this to be very important to risk management since the prescription checking function in the order entry system had been enhanced.
著者
佐々木 均 三上 暁子
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.63-71, 2007-06-15 (Released:2016-08-06)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

堆肥とその浸出液である「れき汁」から発生するハナアブ科の種を,北海道江別市と静内町で産卵羽化トラップ法によって調査した.また,発生が確認されたハナアブ類の卵,終齢幼虫,蛹の形態学的特徴を双眼実体顕微鏡と走査型電子顕微鏡を用いて観察した.その結果シマハナアブ(Eristalis (Eoseristalis) cerealis Fabricius)を優占種とし,ナミハナアブ(Eristalis (Eristalis) tenax (Linnaeus)),アシブトハナアブ(Helophilus (Helophilus) virgatus Coquillett),キタハナアブEristalis (Eoseristalis) Rossica Stackelberg),ホシメハナアブ(Eristalinus (Lathyrophthalmus) tarsalis (Macquart))が続く3属5種のハナアブ類がれき汁から発生することが確認された.形態学的特徴を見ると,卵殻表面のユニットの形態では分類するのは困難であるが,アシブトハナアブのみ中央の凹みがなく,他の4種と異なった. 3齢幼虫では,体表に生えている感覚棘毛や剛毛,棘,乳頭突起の形,太さ,長さおよび配列などが種を分ける重要な特徴として認められた.蛹では,前方気門や呼吸角の長さや形態に相違が見られ,前方気門の形で種を容易に判別できることが明らかとなった.