著者
森 浩一 外山 崇子 三井 真紀 今泉 敏 志村 洋子 中島 八十一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.639, pp.77-84, 1999-03-05
被引用文献数
5

機能的核磁気共鳴画像法 (fMRI) は低侵襲なため、脳機能の局在の研究によく使われる。しがしながら大騒音 (93〜105dB SPL) を伴うので、音による反応を調べるには不向きとされている。MRI 装置内では磁性体が使えないため、音は非磁性のチューブ経由で聞くようになっているが、付属するイヤホンは 10dB 程度の防音効果しかない。そこで、イヤホンを挿耳型にして防音を改善し、連続ではなく間歇撮像で記録することによりほとんど騒音のない状態で音を聴取できるようにした。その結果、第一次聴覚野のある横側頭回 (Heschlgyrus) と聴覚連合野のある側頭平面の信号が、撮像騒音で飽和することなく検出可能であった。