著者
三原 健治
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.738-749, 2012 (Released:2012-02-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

特許を活用したイノベーションの測定において,「特許の価値とは何か」という問いに対する答えを求める努力が続けられている。特許の価値を評価するにあたり,特許分類や引用情報が活用されることも多い。また,バイオテクノロジー分野は環境・医療への応用面などで注目されており,特許の価値評価についても多くの研究が行われている。しかしながら,バイオテクノロジー分野については体系的な特許分類が確立しておらず分類情報をそのまま利用することは非常に慎重でなければならないこと,引用についても学術論文と特許の引用パターンは一般化できないくらい複雑なものであることについて十分に認識されているとはいえない。本論文は,以上の問題点についてバイオテクノロジー分野の特許審査官として職務を遂行した筆者の経験から検証し,特許の価値評価がいかなるものであるべきかについての考察を与えたものである。
著者
三原 健治
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.652-662, 2012 (Released:2012-01-01)
参考文献数
8

ゲノムを丸ごと解析できるようになった現在において,DNA配列やアミノ酸配列に関する情報は年々増加の一途をたどっている。特許出願についても配列に関する膨大な情報が蓄積されており,配列データの蓄積方法に加えて,蓄積されたデータを検索等に利用する仕組みも必要である。本稿では上記の配列データの蓄積および検索への利用に関して,以下の4つの問題点,すなわち(1)塩基数またはアミノ酸数の少ない配列の問題,(2)塩基数またはアミノ酸数の多い配列,並びに配列数の多い出願の問題,(3)同じ配列が重複して登録される問題,(4)特許出願における配列表のフォーマットに関して,配列表のXML化に伴う問題を取り上げ,それぞれについて考察するとともに,最後に配列データの信頼性についても考察した。