著者
三原 實
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-50, 2003-06-30
被引用文献数
4

ゴキブリ目は,石炭紀後期(約3億年前)地層より化石が発見され,国内でも2億3千年前の翅の化石が山口県美祢市で出土している歴史の旧い昆虫である.地球上のゴキブリは現在まで約3,500種が知られ,日本では9科25属52種が纏められている(朝比奈,1991).ゴキブリは熱帯・亜熱帯が主な生息域であり,国内における分布状況も南西諸島に多くその種数は45,九州23,四国11,本州17,北海道3,小笠原8種である.自然界におけるゴキブリの生活場所は森林や草原の地表で,林内では落葉内,石の下,倒木下,浅い土中,樹木根際,樹木では樹葉上,樹皮下,樹洞内,朽木内,その他草原や叢中などに生息し,植物の腐食有機物,動物,昆虫などの屍骸,樹液,朽木などを食餌としている.