著者
三宅 知寛 相良 直哉 杉山 賢二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.5-8, 2012
参考文献数
8
被引用文献数
1

映像品質が管理のために参照画像を用いない客観画質評価方法が求められている。これに対し、ブロック歪、モスキーノイズ、時間軸劣化、空間ボケなどの劣化要素についての評価方法がすでに検討されている。一方、近年の符号化では、非線形空間LPF(コアリング処理)の多用により、エッジは保存されるが微少ディテールが消失する劣化が目立ってきている。そこで、そのような劣化(コアリング劣化)を検出する手法について検討した。空間ボケ検出で用いたDCT係数のバンド分割を基本にし、エッジ部と平坦部によるブロック区分を行うことで参照画像なしにコアリング劣化の程度を検出する手法を提案する。評価結果は、H.264符号化で量子化幅(QP)の増加に伴って高い値になるともに、デブロッキングフィルタの有無により顕著に差を生じ、コアリング劣化程度の評価方法として有効であることが確認された。