著者
三島 雅史 田中 美栄子
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG19(TOM19), pp.47-54, 2007-12-15

人間乱数を認知症の早期発見に利用するには,比較的短い数列から兆候をとらえる必要がある.相関次元やHMMを用いた従来法は長いデータ列を必要とし診断には不向きである.本研究では長さ50の短い乱数列を対象にして,診断に使えそうな指標を特定することを目的とした.認知症を加齢とともに進行する記憶力の低下が極端な形で現れたものと考え,年齢別にとったデータを用いて様々な指標を計算し,年齢による違いが確認できたものを有効な指標と判断した.これに加えて新たな指標(RP)を提案する.また採取方法による乱数の性質の違いについても考察する.
著者
三島 雅史 田中 美栄子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.126, pp.19-23, 2006-06-16

人間に乱数生成を行わせると,体調や性格の違いによって特徴的な数列を生成することが知られており,これを人間乱数と呼んでいる.我々は人間乱数を利用して初期の認知症の自己診断に使えるようなプログラムの作成を試みており,そのために必要なデータの収集と解析方法の研究を行ってきた.本報告では健常者と精神障害者のデータの特徴を比較し,また健常者間の個人差を隣接二文字の生成偏差を利用してパターン認識する簡便な手法を提案する.また,異なる採取方法で取ったデータを比較し,結果が採取方法に大きく依存することを示すと共に,データをカオス時系列とみなして相関次元を求め,比較する.