著者
佐藤 英明 三木 敬三郎 久和 茂 内藤 邦彦 塩田 邦郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

胚性幹細胞を介した遺伝子導入による形質転換動物の作出法は、標的遺伝子改変ができることなどから、従来の前核へのマイクロインジェクション法(染色体のどの位置に導入遺伝子が挿入するかコントロールすることがむずかしい)に比べてきわめて有効であり、方法の確立が望まれているか、ブタおにいて研究を進めるためには胚性幹細胞、特に生殖系列キメラを形成する肺性幹細胞の樹立が必要である。本研究では生殖系列キメラを形成する胚性幹細胞の樹立を目的として実験を行ったが、成果は次の通りである。(1)卵母細胞の体外成熟、体外受精、体外発生により、成熟未受精卵、胚盤胞期胚を安定して作出する培養敬を開発した。(2)体外で作出した胚盤胞期胚からマウスの胚性幹細胞と形態の一致する多分化能をもつ細胞株を樹立した。(3)樹立した細胞株は脱出胚盤胞に接着させるとキメラを形成した。(4)胚性幹細胞の維持に必要な生理活性物質(白血病抑制因子誘導体など)を同定した。(5)胚性幹細胞を除核未受精卵に移植する方法を開発し、再構築胚の培養法を考案した。