著者
山口 二郎 杉田 敦 遠藤 乾 空井 護 吉田 徹 渡辺 将人 木宮 正史 川島 真 遠藤 誠治 高安 健将 村上 信一郎 宮本 太郎 小川 有美 中北 浩爾 水野 和夫
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-15)

20世紀後半に民主主義国で確立された二大政党制、二極的政党システムにおける政権交代というモデルは、1980年代の新保守主義的政治、1990年代後半の中道左派の復活までは、順調に作動し、民意の吸収と政策転換という効果をもたらした。しかし、2000年代に入って、経済のグローバル化の一層の進展と、雇用の不安定化や格差の拡大は政治的安定の基盤をなした経済的安定を侵食した。その結果、政権交代に対する国民の期待が低下し、ポピュリズムが現れた。こうした危機を打開するためには、従来の左右を超えた政党再編が必要とされている。
著者
廣田 照幸 森 直人 寺脇 研 丸山 和昭 冨士原 雅弘 小野 方資 末冨 芳 佐久間 亜紀 徳久 恭子 荒井 英治郎 筒井 美紀 布村 育子 植上 一希 二宮 祐
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

1、関連文献・史資料の収集・吟味:日教組の運動の範囲が多岐にわたるため、大学院生や学部生にアルバイトとして利用しながら、7つの作業グループのそれぞれの主題に沿った関連文献・史資料の収集・吟味を体系的に行った。2、日教組所蔵史料の検討と整理:研究の基礎史料を利用可能な状態にしていくため、平成28年度は過去のプロジェクトにおいてデジタル化した資料を再整理しつつ、新たに当面の研究に必要な史料を選定してデジタル化作業を行った。1947-50年代の日教組書記局作成史料を中心とした作業と、古書店等で入手した同種の史料とを作業の対象にした。3、聞き取り調査:中央執行委員会や書記局にいた日教組OB数人、単組の元委員長など、キイ・パーソンに聞き取り調査をおこなった。記録はテープ起こしと編集作業を行い、ご本人の確認を経て、聞き取り資料として確定させた。4、全体会合:全員が集まる研究会を定期的に開催し、本研究課題に関連する分野の専門家をゲスト・スピーカーとして招聘してレクチャーを受けながら、7つの作業グループから、順次、研究報告をしてもらった。また、全体会では、研究全体の進め方について協議を行った。5、チーム会合・グループ会合:2つのチーム、7つのグループごとに、定期的な会合をもち、具体的な課題に向けた研究を進めた。6、学会発表:日本教育学会の部会で研究成果の報告を行った。学会発表をふまえて、論文化に向けた打ち合わせも行っている。
著者
廣田 照幸 佐久間 亜紀 筒井 美紀 徳久 恭子 荒井 英治郎 植上 一希 末冨 芳 布村 育子 森 直人 小野 方資 宇内 一文 丸山 和昭 冨士原 雅弘 長嶺 宏作 古賀 徹 岩田 考 太田 拓紀 清水 唯一朗 二宮 祐 冨士原 雅弘 佐藤 晋平 田中 真秀 金子 良事 長嶺 宏作 香川 七海 中嶋 亮太 高木 加奈絵
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-15)

本研究の成果として、a)初期教育研究大会の成立と講師団選出過程、b)日教組結成から1950年までの法的な位置づけと政治的な立ち位置の変容、c)「教え子を戦場に送るな」のスローガンの成立過程、d)人材確保法の成立過程、e)日教組におけるストライキ批准体制の確立、f)1973年春闘におけるストライキ戦術と交渉の解明、g)連合加入をめぐる400日抗争の解明、h)1995年の文部省と日教組の和解のプロセス、i)国際労働運動における日教組の位置を明らかにした。以上の点から、労働運動体と教育運動体としての日教組との二重性をふまえ、日教組の多面的な運動、それぞれに与えた影響を実証的に明らかにした。
著者
大沢 真理 シャイア カレン マルガリータ エステベス=アベ 阿部 彩 金 英
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21 (Released:2013-10-24)

日本の生活保障システムは、先進諸国の中で最も強固な「男性稼ぎ主」型であり、政府の所得再分配が貧困を削減する効果が、就業者の多い世帯や子どもにとってきわめて弱く、効果がマイナスである場合も少なくない。労働力人口の減少が憂慮される社会としてきわめて非効率で不合理なシステムであること、しかし所得再分配の効率性を高めれば、税・社会保障負担を増すことなく国民の生活を改善できることも、明らかになった。2014年2月には福井県において社会的排除に関するアンケート調査を実施した。働き者の福井の女性が、より働きがいを感じ、地域活動にも参加する条件について示唆を得られた。
著者
新井 紀子 松崎 拓也 犬塚 美輪 尾崎 幸謙 登藤 直弥 影浦 峡 藤田 彬
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

平成28年度は、リーディングスキルテストおよびアンケートを実施するためのソフトウェア、Reading Skill Test α版を設計した。また、その上で実施するテストの各問題タイプの仕様を策定した。テストでは、テキストベース での読解力スキルとして,Dependency (係り受け),Anaphora(照応),Paraphrasing(言い換え),Inference(推論),Representation(表象),Instantiation (具体例)の6つにターゲットを絞ることとし,知識を問わない読解処理の問題を1100問以上作成した。これからいくつかのテストセットを選定し、小学6年生から社会人まで2万人以上に対して、テストを実施し、データを収集した。その過程において、項目特性図を参考にして、不適切と思われる項目を除外し、最終的に困難度(b値)を推計できた問題を数百問整備した。その上で、調査を受けた2万人のうち1万人を超える受検者に対して能力値(θ)を推計し、テストの妥当性について検討した。その結果、読解力は学齢が上がるごとに上昇することが示されテストの妥当性を示すものである。また、学校の就学支援率が高いほどθが低くなり、また学校が駅から遠いほどθが低くなる、という結果を得た。本調査については、主要メディアに取り上げられ、文部科学省が実施する高大接続高校基礎テスト(パイロット版)においても採用され、実施された。本研究成果は、認知科学のトップカンファレンスであるCogSco2017に採択された。
著者
中島 利博 山野 嘉久 八木下 尚子 樋口 逸郎 赤津 裕康 川原 幸一 上 昌広 丸山 征郎 岡田 秀親 荒谷 聡子
出版者
東京医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

われわれがリウマチ滑膜細胞より発見した小胞体関連E3ユビキチンリガーゼ シノビオリンは遺伝子改変動物を用いた研究により、少なくともマウスにおいては関節症発症の必要十分因子であることが証明されていた。また、関節リウマチの新薬である抗TNFα製剤の感受性を決定するバイオマーカーの可能性も示されている。一方で、シノビオリンの完全欠損マウスは胎生期において致死であることも明らかとなっていた。したがって、これまで成獣における同分子の生理機能の解析、並びに関節症における分子病態を明らかとすることが不可能であった。そこで、本研究事業により、同分子のコンディショナルノックアウトマウスを作製し、これらの点を明らかにすることを目的とした。その結果、シノビオリンのコンディショナルノックアウトマウスは胎生致死でのみならず、出生後に同遺伝子をノックアウトした場合でも致死であることを発見した。さらに、その過程で線維化・慢性炎症に非常に密接に関与することが示されている(論文準備中)。現在、その恒常性維持にシノビオリンが必要と考えられる関節などの臓器特異的なコンディショナルノックアウトマウスの解析を行っている。上記のようにシノビオリンの機能制御は関節リウマチのみならず、線維化・慢性炎症を基盤とする疾患の創薬標的であることは明白であろう。われわれの有するシノビオリン抑制剤がマウスにおける関節炎モデルに有効であることを証明した(論文投稿中)。さらに、本テーマは橋渡し研究として米国のユビキチンに特化した創薬系ベンチャー プロジェンラ社との創薬開発プロジェクトへと進展した。
著者
加藤 博文 石田 肇 吉田 邦夫 佐藤 孝雄 米延 仁志 ハドソン マーク 米田 穰 安達 登 増田 隆一 長沼 正樹 深瀬 均 木山 克彦 江田 真毅 岡田 真弓 木山 克彦 江田 真毅 岡田 真弓 長沼 正樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31 (Released:2012-11-27)

本研究では、アイヌの集団的・文化的形成過程において海洋狩猟民文化の強い影響が社会文化伝統にも、集団的にも、存在したことを示唆する豊富な資料を提供することができた。浜中2遺跡の調査では、海獣儀礼の伝統が先行する先史文化から連続して継承、発展されアイヌ文化の中へ取り込まれていくことが考古学的に提示された。集団的な系統性については、先行研究で示唆されていたオホーツク文化の関与を補強する資料を得ることができた。提示されたアイヌ民族の集団形成性の複雑さは、集団のアイデンティティの形成過程や変遷についても、社会・経済・政治的文脈での検討の必要性を示唆している。今後も得られた資料の調査研究を進めていく。
著者
本堂 毅 平田 光司 関根 勉 米村 滋人 尾内 隆之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-15)

本年度は,以下の項目を中心に研究活動を行った.① 公開シンポジウム「『科学の専門知を法廷でどう扱うか?』NSW土地環境裁判所長官プレストン判事を迎えて」 科学的不定性を前提とした社会的意思決定手法に必要な要件を明らかにするためには,海外の先行例の調査・研究は有効である.オーストラリアの科学裁判において,広く採用されている手法「コンカレント・エヴィデンス」は,科学的知識における不定性を前提とした社会的制度設計である.この手法発祥の地である,NSW州土地環境裁判所長官であるプレストン判事が来日する機会を捉え,東京霞ヶ関の弁護士会館を会場に,日本の第一線で活躍する裁判官らと共に,法学者や科学者を交えて国際シンポジウムを行った.本シンポジウムには,多くの現役裁判官,弁護士,法学者,科学らが集い,科学的不定性を前提とした意思決定手法の重要性や,手法の有用性や課題などについて意見を交換し,今後,本研究で解明すべき点が明らかになった.②環境医学の臨床と不定性調査 環境医学の最前線で活躍する臨床医らとともに,臨床研究の予備研究と臨床研究倫理委員会への申請準備を行う中で,不定性と臨床研究倫理との関係について整理を行った.③巨大技術の不定性の科学史的検証研究を行い,その成果を,科学技術社会論研究第11号において発表した(平田光司).④科学教育カリキュラム開発と実践研究 科学的不定性を伝える科学教育カリキュラム開発の実践研究を東北大学の全学教育,および大学院教育の授業において行い,その成果を全学教育テキスト「自然科学総合実験」の改訂等に反映させた.⑤科学論の諸概念と科学的不定性 科学的不定性と従来の科学論との関係について,科学技術社会論研究第11号に論文発表を行った.⑥公開研究会 ①に述べたシンポジウムを公開で行うことにより行った.
著者
山下 俊一 高村 昇 中島 正洋 サエンコ ウラジミール 光武 範吏
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01 (Released:2013-05-15)

チェルノブイリ周辺の海外連携研究拠点を中心に、放射線誘発甲状腺がんの分子疫学調査を継続し、共同シンポやワークショップを開催した。チェルノブイリ甲状腺がん関連の英語単行本を共同出版し、各種招聘事業と被ばく医療研修指導を行なった。放射線誘発甲状腺がんの感受性候補遺伝子群のSNPs解析を中心に、分子疫学調査と分子病理解析を行い新知見を報告した。これらの成果を、福島原発事故後の県民健康調査事業における甲状腺検査の結果解釈に応用し、福島とチェルノブイリの甲状腺癌の違いを臨床像や分子遺伝学的見地から明らかにした。
著者
木庭 顕 両角 吉晃 松原 健太郎 原田 央 桑原 朝子 森田 果 金子 敬明 加毛 明 滝澤 紗矢子 岩原 紳作 神作 裕之 太田 匡彦 齋藤 哲志 川村 力
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

近代のヨーロッパ・アメリカのみならずギリシャ・ローマ、イスラム、中国、日本の専門家が借財・土地担保・金融等々の社会史的分析をもちより、同時にこれらを(同じく歴史的に多様な)法的な枠組との間の緊張関係にもたらした。そしてそれらをめぐって比較の観点から激しい討論を行った。その結果、現代の信用問題を見る眼と信用問題の歴史を見る眼が共有する或る視座の限界が明らかになった。これは新しい視座の構築方向を示唆する。
著者
下山 巌 本田 充紀 奥村 雅彦 小暮 敏博 町田 昌彦 岡本 芳浩 馬場 祐治
出版者
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

H28年度において実施した研究の実績概要は以下の通りである。1.高温低圧環境高速X線回折(XRD)装置及び蛍光X線分析装置(XRF)の導入:複数の候補からリガク製XRD装置SmartLab3を選定し、低圧加熱実験可能な電気炉と2θに対して10°以上の範囲の同時測定可能な高速2次元検出器を併用することで、加熱時及び冷却時の構造変化をその場観察できる装置を導入した。また、XRF装置も導入した。2.アルカリ塩化物試薬におけるカチオン依存性の解明:非放射性Csを収着させた風化黒雲母(WB)をモデル土壌とし、CaCl2とKCl単塩をそれぞれ添加した際のXRD、XRF測定を行った。CaCl2添加により700℃低圧加熱で100%のCs除去率を確認した。一方、KCl添加では約50%のCs除去率となった。また、CaCl2添加時はXRDパターンが大きく変化したのに対し、KCl添加ではWBの構造がほぼ保たれた。これらの結果から同じ塩化物でも1価と2価のカチオンではWBからのCs脱離過程が異なることを明らかにした。また、昇温脱離法(TDS)を用いた分析でもCaCl2添加時にCs脱離が促進されることを確認した。X線吸収分光法(XAFS)を用いた加熱中のその場観察の研究ではNaCl-CaCl2混合塩へのCs溶出が観察された。それと共に、600℃付近より高温側と低温側でCs脱離過程が異なる可能性を見いだした。以上の知見に関しては欧文誌に論文発表すると共に、国内外の学会において報告を行った。3.福島汚染土壌による実証試験:福島の帰還困難区域から粘土質汚染土壌を採取し、加熱処理による放射能変化をNaI検出器により調べた。その結果、KCl、MgCl2試薬では低圧加熱の方が大気加熱よりも高い放射能減衰率が得られたがCaCl2試薬では両者で大きな差が見られず750℃大気加熱で約97%の放射能減衰が得られた。
著者
植田 弘師 松永 隼人 永井 潤 水田 賢志 田中 義正 水谷 龍明 内田 仁司
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

神経傷害後1週間でのミクログリア阻害剤は慢性疼痛とLPA産生を抑制したが、アストロサイト毒性剤の前投与は疼痛を抑制したが、LPA産生には影響しなかった。LPAは初代培養のアストロサイトに対して複数のケモカイン発現増加を示したが、サイトカイン発現には影響を示さなかった。LPAプライミングした培養アストロサイトのi.t.投与はLPA1受容体を介して疼痛反応を示したことから、神経障害後期維持期でも、LPAはミクログリア活性化により産生され、産生されたLPAはアストロサイトに作用して、ケモカイン産生を介して疼痛興奮を誘発すると結論した。しかし、LPAはヒトiPS細胞由来アストロサイトに対してケモカイン産生を示さず、LPAプライミング処置後もマウスに痛みを誘発させなかった。iPSアストロサイトにはLPA1受容体の発現が観察されないことから種差の問題と、現時点で入手できるiPS由来アストロサイトにはin vivoで見られる神経系のコミュニティー間の分化刺激が不足しているためと結論した。シュワン細胞株S16細胞におけるLPA受容体とG12/13ならびにRhoA-ROCKを介する脱髄機構はミエリン蛋白質遺伝子発現ならびにその転写因子Sox10発現低下として捉えることができ、その上流にNFκBのアセチル化が関与する事が阻害剤効果により明らかになった。LPA機構活性化の新たな機構としてLPAがKCC2機能を低下させ、GABA受容体機能の抑制から興奮への変換が含まれることを明らかにした。断続的くり返し精神的ストレスによる線維筋痛症マウスモデルを新たに作成し、病態生理学的、治療薬理学的に線維筋痛症モデルに類似することを明らかにした。さらに、LPA1受容体遺伝子欠損マウスにおいてその疼痛が消失することも明らかにできた。LPA合成に関連する新規の酵素を見出し、その阻害剤候補も見出すことができた。
著者
高岩 義信 九後 太一 早川 尚男 棚橋 誠治 金谷 和至 五島 敏芳 小沼 通二 伊藤 憲二 伊藤 和行 九後 太一 受川 史彦 平田 光司 小長谷 大介 田中 希生 田中 正 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志 坂東 昌子
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18 (Released:2013-05-15)

日本の素粒子論研究が世界的に評価される礎を築いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を活用してその学問の系譜を研究することを目標とし、その資料の利用環境整備を行った。史料データベースを充実させネットワーク上のサーバーを介して一般に公開している。このサーバで稼働するオープンソフトウェアの検討およびカスタマイズ、さらにその後継ソフトウェアの検討を行った。またこれらの資料を科学史研究に利用するのに有益な史料作成者データのデータベースを、史料カタログと連携するものとして構築することによって、史料の有効利用に資することができるようにすることを検討した。また今後へ向けての課題の検討を行った。
著者
北 泰行 土肥 寿文 藤岡 弘道
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009 (Released:2009-04-01)

申請者らの有する独創的合成法を、興味深い生物活性を有するが微量しか得られず複雑な高次構造を有する天然物や生体機能分子を得るための、環境にやさしく持続的に使用可能な手法へと発展させ、創薬に役立つ化合物を種々合成した。これらの得られた新規化合物を基に、新しい作用機作を有する新規医薬品候補化合物の創生に向けた研究を、独自の薬物評価系を持つ他研究所や研究機関と共同研究の下で推進した。またさらに、我々の独自の手法を用い、有機機能性素子の合成へと展開し、その有用性を明らかにした。
著者
宮本 俊和 河内 清彦 柿澤 敏文 和田 恒彦 徳竹 忠司 濱田 淳
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31 (Released:2012-11-27)

本研究は特別支援学校(盲学校)理療科で鍼灸マッサージの教科を教える理療科教員の臨床能力と資質向上を意図するとともに、筑波大学理療科教員養成施設のITを用いた授業の充実を図ることを意図した。研究成果は、研究成果報告書として全国の盲学校、鍼灸関連学校、視覚障害関連の教育機関や研究機関に配布した。報告書には、1)明治以降の理療科教員養成の歴史的変遷、2)鍼灸受療者の実態、3)日本におけるIT活用と盲学校理療科におけるIT活用、4)理療科教育における講義形式の授業(電子黒板やタブレット端末を利用した授業など)、5)実習形式の授業(解剖実習や鍼実技でのiPad、iPodの活用)などについて記載した。
著者
山下 俊一 大津留 晶 高村 昇 中島 正洋 光武 範吏 難波 裕幸
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

チェルノブイリ原発事故後激増した小児甲状腺がんの成因と長期健康影響を明らかにする研究目的で、すでに確立した海外拠点との学術交流による分子疫学調査を計画的に推進することができた。特にWHOやNCRP、EUなど欧米の放射線安全防護に係わる国際プログラムに積極的に参画し、低線量被ばくのリスク評価・管理について交流実績を挙げた。旧ソ連3ヶ国(ベラルーシ、ウクライナ、ロシア)における放射能汚染地域の住民データ、生体試料の収集から遺伝子抽出活動を継続し、放射線誘発甲状腺がん疾患関連遺伝子群の探索を行い、候補遺伝子のSNPs多型を解析した。その結果、DNA損傷修復酵素、がん抑制遺伝子群のSNPsの交洛関係を見出した。同時にChernobyl Tissue Bankという国際共同研究体制の運営に継続参画し、放射線誘発甲状腺がんの潜伏期や被ばく時年齢、病理組織像などの違いを詳細に検討し、臨床像の特徴についての解明を試みた。その結果、放射線被ばくによる甲状腺癌は非被ばくの散発性甲状腺がんと比較してもその予後や再発率に大差なく、通常の診断治療指針の遵守による生命予後の良さを明らかにすることができた。網羅的遺伝子解析の途中結果では疾患感受性遺伝子SNPs候補を見出している。上記研究成果は国内外の学会で報告すると同時に、WHOなどの低線量被ばく安全ガイドラインへの取組に保健医療行政上からも貢献している。放射線の外部被ばくによる発がんリスクだけではなく、放射性ヨウ素類の選択的甲状腺内部被ばくにより乳幼児・小児期被ばくのリスクが明らかにされ、今後の原発事故対策や放射線安全防護基準策定の基盤データの整備につながり社会的波及意義が大きいと期待される。
著者
津崎 実 入野 俊夫 堀川 順生 牧 勝弘 宮崎 謙一 竹島 千尋
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-05-31 (Released:2012-11-27)

これまで加齢によって絶対音感判断のシフトが観察されたと判断できる実験協力者の人材プールに対して再度実験協力を求め,当初実施したピアノサンプル音ではない,より実験室的な刺激に対する絶対音名判断課題を広い年齢層に対して実施した。これらの刺激を使用したことにより,彼等が判断の手がかりとしている音響的・聴覚的な特徴量の特定に一歩近づくことができた。これと平行して彼等の持つ聴覚末梢系での加齢性の変化と絶対音感シフトとの関連性を引き続き検討した結果,気導聴力検査,耳音響反射,聴覚フィルターのバンド幅などの蝸牛の機械的フィルタ特性の変化と,絶対音感シフトとの相関はないことが示唆された。もともと絶対音感などの音楽的なピッチ感には位相固定した聴神経活動に備わる時間的符号化が重要であることが示唆されてきた。この点に関しては分担研究者によるモルモットを使用した電気生理学的実験で,加齢による位相固定発火の劣化が生じることが確認されつつある。このような変容については,人を用いた実験では脳波における周波数追随反応(FFR)によってある程度確認できるとされており,この計測のために年度途中から準備を開始した。モデル班では,従来の多くのモデルに対する批判検討を繰り返し,位相固定した神経発火に存在する時間間隔の中で最も優勢となる時間間隔に対応したピッチが知覚されるという前提の再検討に入った。この考え方では時間自体が内的に変化するという立場を取らなければピッチ・シフトが起こる可能性を検討できない。この点については,そのモデル構築にとっても重要な突破口を与える可能性を持った心理現象が研究代表者の研究室において,高齢者ではない,一般的な成人による実験によって見出された。この現象では,聴覚シミュレーション上では顕著な活動のピークを全く持ち得ない周期に対応したピッチが知覚される可能性を確認できた。