著者
桑村 常彦 高橋 秀男 三柴 三郎 小野 正寛
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1973, no.12, pp.2370-2377, 1973
被引用文献数
1

ペンタエリトリットの女直n-アルキルエーテル,(ROCH2) .C(CH20H)4-x (x=1~3, R=C3~C rs)への酸化エチレン(EO)重付加により,ポリオキシエチレン(POE)似非イオン性界面活性剤を合成し,疎水部におけるアルキル総炭素数(N)の等しい既知非イオン活性剤との比較のもとに,その曇り点(Cp),表面張力(rCMC), CMCにおよぼす熟瓜構造およびポリエーテル型連結部の影響について検討した。<BR>(1)一般に疎水部のアルキル鎖数(A)の増加はCp,7 CMCを低下, CMCを増大させるが, Aが2と3でのrcMc, CMCの差異は少ない。 Aが3の場合,rcMcはRがC3からC6の範囲で変化しない。Aが2以上,とくec 3の場合, CMCの対数とNの関係は直線ゆらはずれ,上方 型曲線となる。<BR>(2)同一系列,同一HLBd(DaviesのHLB値)では高級同族体ほど高いCpを示す。(3)連結部のエーテル型酸素は見かけ上親水牲に寄与しない。(4)POE鎖数(P)の多い系列はHLB,から予想されるよりかなり低いCpを示す。 P 2では,一般にEO付加数の増加とともにlogCMCが直線的に減少し,その傾きはPおよびRの大きいほどいちじるしい。<BR>以上の結果について,主としてPOE鎖の配置状態,水和性の観点から論議した。