著者
福島 悠太 三浦 太樹 濱谷 尚志 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2017-MBL-85, no.25, pp.1-8, 2017-11-08

無線センサーネットワークにおいて,センサーに付随するマイコンの高機能化 ・ 省電力化が進めば,従来クラウドで行っていた学習や異常検出,判定などのタスク処理をセンサーネットワークにオフローディングし,データ発生場所に近い場所でそれらを効率よく行える自律的な知能センサーネットワークが実現できる.本研究では CNN を対象に,ローカルな無線センサーネットワーク内で分散実行する新しいアーキテクチャを提案し,そのための分散実行プロトコルならびにアルゴリズムを提案する.提案手法はメッシュ型の無線センサーネットワークが面的かつ定期的に取得するデータを対象とし,センサーノードに深層学習におけるユニットの役割を割り当てる.提案手法の有効性を評価するため,1,400 m² 超の実ラウンジスペースの 50 地点の温度データを用いて,通常の CNN による学習と提案手法による分散学習におけるデータ通信量と学習精度の比較を行った.その結果,十分妥当な通信量のもとで,通常の CNN と遜色ない学習精度を達成できることがわかった.