著者
三浦 彩美 米谷 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.123, pp.13-16, 1999-06-18
参考文献数
6
被引用文献数
3

米谷・瀧上(1994)は日本人の表情認知構造が日本人の表情をみる場合と欧米人の表情の場合とに相違があることを指摘した。これを再検討するため、欧米の映画から選び出した81の表情刺激(音声なしの静止画像)をランダムに112名の大学生(男子83名、女子29名)に呈示し、表情表出の強さを評定させた。その結果、呈示刺激の表情により評定値が有意に変動することが確かめられ、評定者の性差や性差と呈示刺激の交互作用に有意な変動が認められた。因子分析により、欧米人の表情に対する表情認知構造は日本人の表情に対するものと大体同じだが、悲しみの認知だけが異なるという、米谷・瀧上(1994)の文化的フィルター仮説を支持する結果が得られた。
著者
三浦 彩美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.174, pp.23-26, 2002-06-21
参考文献数
7
被引用文献数
2

本研究では、ポピュラーな洋画のシーンを呈示刺激として用いた感情評定実験と、テレビ視聴に関するアンケート調査により、映画作品における登場人物の感情評定と、幼少の頃から現在までのテレビ視聴時間や視聴番組のジャンルとの間にどのような関係があるかを検討した。その結果、呈示刺激に見出した感情表出の多様性と小学校時代のテレビ視聴時間との間に相関関係がみとめられ、感情認知とテレビ視聴に関連があることが示唆された。