著者
寺山 和利 渡部 多真紀 渡辺 茂和 三浦 邦久 土屋 雅勇
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.32-38, 2020-02-25 (Released:2020-03-04)
参考文献数
29

【目的】痛みの評価はVASなど主観的方法が汎用されている.客観的評価ツールであるPainVision(PV)が痛みの測定に有用であるか,外用NSAIDsの薬効をPVとVASで評価した.【方法】被検者は成人ボランティア33名とした.試験薬剤はインドメタシン・ケトプロフェン・ジクロフェナク・フェルビナクを主成分とする外用NSAIDs 19剤を用いた.鎮痛効果はPVとVASを用いて検討した.【結果】PVとVASはr=0.681(p<0.01)と相関を示した.クリーム剤のミカメタン,テイコク,ユートクはインテバンに比べ有意差をもって強い鎮痛効果を示した(p<0.05).ゲル剤のエパテック,ナボールはイドメシンに比べ有意差をもって強い鎮痛効果を示した(p<0.05).【結論】PVが痛みの評価に有用なツールである可能性を示した.外用NSAIDsは主成分や剤型により鎮痛効果が異なるため,医師や薬剤師が薬剤を選択する際には,鎮痛強度の違いを考慮すべきである.