- 著者
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三留 真珠美
伊藤 克敏
荒川 秀俊
前田 昌子
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.6, pp.355-361, 2000-06-05
- 被引用文献数
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先天性代謝異常症であるフェニルケトン尿症,メイプルシロップ尿症及びガラクトース血症の診断の指標となる血液中フェニルアラニン(Phe),ロイシン(Leu)及びガラクトース(Gal)を迅速かつ簡便に定量することを目的として,固定化酵素カラムを用いるセミミクロFIAによる3成分同時定量法の検討を行った。本法は試料量20μl,分析時間17分間で3成分同時に定量可能であった。本法を先天性代謝異常症スクリーニング用血液濾紙ディスクの測定に応用したところ,それぞれの検量域は0.3~19.6(Phe),0.8~18.4(Leu),0.4~18.2(Gal)mg/dlであり,現在マススクリーニングで行われているカットオフレベルを十分カバーできた。日内変動は標準血液濾紙の各ポイントにおいていずれも2.4%(RSD,n=5)以下と良好であった。また,ヒト成人血液を用いて調製した血液濾紙からの平均添加回収率はPhe,Leu,Galそれぞれ,77.4,78.5,97.4%(n=11)であった。本法を用い正常新生児血液濾紙の測定を行ったところ,その平均血中濃度(n=30)はそれぞれ1.5(Phe),2.4(Leu),2.6(Gal)mg/dlであった。