著者
上ノ山 賢一
出版者
同志社大學經濟學會
雑誌
経済学論叢 (ISSN:03873021)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.575-593, 2012-03

本稿は内生成長を伴う世代重複モデルを用いて、習慣形成が貨幣供給率の変化による経済成長率の変化に対してどのような影響をもたらすのかを分析した。その結果、均衡が一意に決定する場合には、貨幣成長率の上昇は、内生成長率を低下させることが示された。その一方、均衡が複数となる場合には、高成長率となる均衡はサンスポット均衡となり、貨幣成長率の上昇が内生成長率を上昇させるが、低成長均衡では低下させる可能性があることが明らかとなった。研究ノート(Note)