著者
上條 義一郎
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

暑熱馴化は血液量を増加させ高体温時における体温調節反応を改善させる。暑熱環境下・立位では皮膚血管拡張による末梢への血液貯留と発汗による脱水が心臓への静脈還流量を低下させ、心房を介して圧反射性に過剰な皮膚血管拡張を抑制し血圧を維持する。我々は、皮膚交感神経活動には心周期同期成分が含まれ、高体温・起立負荷時に皮膚血管拡張反応とともに抑制されることを示した。さらに、若年男性が5日間の持久性トレーニングを行うと、血漿量の増加と共に皮膚血管拡張や同成分上昇が亢進した。暑熱馴化における血液量増加は同成分を介して皮膚血管拡張反応を改善する可能性がある。