著者
上江洲 由晃
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

(1)PSN・PT超格子多層膜の構造と誘電特性PLD法により世界で始めてPSNIPT超格子薄膜を作成することに成功した。構造はシングルステップのSrTiO3(STO)(001)基板の上に電極相として厚さ40nmのSrRuTiO3(SRO)を載せ、その上にPSN/PT超格子薄膜、さらにトップ電極としてAuを蒸着した。PSN/PT超格子は2種類を作成した。PSNx格子とPTy格子からなるN層の超格子膜を(PSNxPTy)Nと書くと、(PSN51PT39)10および(PSN20PT15)10である。これらの超格子膜の構造をX線回折法により詳細に調べたところX線超格子反射が明確に観測され、確かに超格子薄膜が作成されていることを確証した。これから超格子周期、相関距離を決定した。さらに室温で誘電測定を周波数10^2〜10^6Hzの範囲で行い、300〜350の実部誘電率を得た。(2)ペロブスカイト酸化物薄膜の電気パルス誘起抵抗スイッチング効果電気パルス誘起抵抗スイッチ効果が種々の遷移金属酸化物薄膜で普遍的に発現することを示しおり、個々の物質の電子構造には依存せず、結晶欠陥のような一般的な性質に起因することを突き止めた。