著者
瀧本 幸男 上瀧 實
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.96, no.373, pp.1-7, 1996-11-21

降雪量の多い北国では、安全な道路交通にたいし車載レーダが、また雪氷中に埋れた物体や路側標識などの検知のためにミリ波の利用が検討されている。実利用のため、北海道恵庭市郊外において実際に堆積している氷、新雪、ざらめ雪に対し、屋外測定により得られた伝搬遅延時間から50-75GHz帯における屈折率を求めた。この結果、雪の屈折率は密度の関数として直線近似式で与えられる。また電力が1/eとなる侵入の深さを求め、氷や新雪と比べざらめ雪は約1桁小さいことがわかった。さらに、実際に深さ50mm程度の雪氷に埋まった金属埋設物に対する検出の可能性の実験を行い、雪や新雪に比べざらめ雪では困難なことが確認された。