著者
宮内 勝敏 高橋 広 上田 重春 河内 寛治
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.1126-1130, 1996
被引用文献数
1

Hirschsprung 病の父子例について報告した.父は1971年生まれ.生後8ケ月,他院にて一期的根治術を施行された.aganglionosis の範囲は S 状結腸までであった.子は1995年8月生まれの男児.生後2日目,腹満にて発症.生後6日目,右横行結腸瘻造設.生後3ケ月,Duhamel-池田変法にて根治術施行.aganglionosis の範囲は横行結腸中央部までであった.Hirschsprung 病は家族性の比較的高い疾患として知られているが,親子例の報告は比較的少ない.本邦における自験例を含めた4組7例,海外における28組51例を集計し考察した.男女比を親についてみると,父親11例 (42%),母親15例 (58%) と一般の発生率に比べ女性の比率が高い.また,aganglionosis の範囲については,子供の方が親より長い傾向にあった.