著者
木村 敬子 松野 裕子 上畑 智子 岸田 キクエ 梶田 武俊
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.55-58, 1980-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

1) 大豆もやし発芽中のVCの変化を子葉とそれ以外の生育部に分けて, DNP法とDNP反応液をTLCにより展開後比色するTLC法の両定量法により測定した.2) 原料大豆にはほとんど含まれていないVCが発芽に伴って生成され, その量は8日目にピークに達しその後減少した.とくに子葉における減少が著しかった.また生育部は子葉に比し酸化型Cの割合が高かった.3) 市販されるころの大豆もやしのVC含有量は, 多い場合で10mg%程度であり, 子葉には茎部と同量あるいはそれ以上のVCが残存していた.4) DNP法とTLC法の測定値間にはかなり開きがありいずれの部位についてもDNP法によるほうが高い値を示した.試料液のDNP反応液をTLCにかけるとAA以外に数個の褐色, 色のスポットが見られ, こらの呈色物質がDNP法による定量値を妨害したものと考えられる.TLG法は測定に時間を要する難点はあるがVCの真値を測定するには適当な方法であると思われる.