著者
丸山 記美雄 上野 千草
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.23-00136, 2023 (Released:2023-11-20)
参考文献数
17

本研究の目的は,アスファルト混合物が水の存在や凍結融解が作用することで受ける影響を実験に基づいて定量的に評価することにある.室内試験によって,アスファルト混合物は水が浸透し凍結融解作用を受けることで,骨材飛散やひび割れに対する抵抗性が低下することを確認した.さらに,その影響程度を定量的に評価した結果,凍結融解作用が及ぼす影響は水分の含浸のみが及ぼす影響と比べても大きなものであると評価された.また,凍結融解作用はアスファルト混合物の空隙を増加させるが,アスファルトモルタル内部に元々存在する空隙を拡大させるだけでなく,骨材とアスファルトモルタルの境界面に沿って新たに空隙を形成しながら進行することや,混合物の骨材粒度や使用するアスファルトの種類によって凍結融解抵抗性が異なるなどの知見も得られた.