著者
佐谷 修 水越 正人 羽野 卓三 有田 幹雄 上野 雄二 西尾 一郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.110-113, 1997-02-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
20

永久ペースメーカーを植え込んだ連続297例について, 高齢者と非高齢者における臨床的特徴とペースメーカー管理上の問題点を検討した. 平均年齢は67±13歳で75歳以上が30.9%を占めていた.原因疾患は洞機能不全症候群36.7%, 房室ブロック58.9%, 徐脈性心房細動4.4%であった. 植え込み時の電圧閾値, 心内R波と年齢には明らかな相関を認めなかった. ペースメーカージェネレーター交換時には非高齢者において初回に比べ電圧閾値の上昇, リード抵抗値の低下を認めたが両者ともに心内R波には明らかな変動は認められなかった. 術後の長期経過中にはテレメトリーを行い慎重な対応が必要ではあるが, 高齢者においても永久ペースメーカーは安全に管理できると考えられた.