著者
松村 勝 児玉 麻亜子 下河辺 久陽 田代 恵太 西村 太郎 竹谷 園生 吉本 裕紀 林 享治 和田 義人 谷脇 智 明石 英俊 宗 宏伸 今村 鉄男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1362-1366, 2019-11-20

【ポイント】◆膀胱ヘルニアは膀胱壁の一部分,もしくはすべてが脱出する病態で,成人鼠径ヘルニアの1〜4%と報告されている.◆鼠径ヘルニア同様の症状に加え,頻尿・夜間尿・二段性排尿・血尿・排尿障害など,泌尿器系症状を有する場合は膀胱ヘルニアを疑う必要がある.◆術前画像検査により膀胱ヘルニアと診断することで,術中膀胱損傷を回避できるが,外鼠径ヘルニア/内鼠径ヘルニアともに膀胱滑脱の可能性があることを念頭に置き手術を行うことで膀胱損傷を回避しうる.*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年11月末まで)。
著者
明石 英俊 下河辺 久陽
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.185-192, 2020-06-18 (Released:2020-06-18)
参考文献数
21

腹部大動脈腸管瘻は横隔膜より末梢の大動脈と腸管との間に瘻孔が形成されたまれな疾患で,腹部大動脈瘤が直接腸管に穿破した一次性大動脈腸管瘻と腹部大動脈の術後に人工血管と腸管が穿通した二次性大動脈腸管瘻が存在する.いずれにしても,まれな病態ではあるが,治療には難渋する.本稿では腹部大動脈腸管瘻の治療を文献的考察を含めて,現時点での理想的な治療と治療のこつについて解説した.