著者
斎籐 邦行 小林 智宏 下田 博之
出版者
日本作物学会関東支部
雑誌
日本作物学会関東支部会報 6 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
pp.31-32, 1991-12-05 (Released:2017-08-24)

今日の水稲栽培において、農薬(除草剤、殺虫剤、殺菌剤)の施用は慣行化しており、農薬の予防的、対処的施用による雑草・病害虫の防除は水稲収量の安定性を支えている。農薬の施用は、水田生態系をより単純化、均一化することを通じて、水稲の生産力を高く維持していると考えられるが、農薬の散布が日常化している現在では、農薬が水稲の生育、収量、そして水田生態系におよぼす影響を量的、質的に評価することが難しくなっている。そこで、この素朴な疑問に答えるため、隣接する2枚の水田(各24a)を用いて、慣行に従って農薬を施用した区、農薬を全く使用しなかった区(それぞれ+P、-P区と呼ぶ)を設けて1990年に水稲を栽培し、水稲の生育、収量ならびに雑草、病害虫の発生状況を調査した。
著者
下田 博之 パワー A.P.
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.242-250, 1992-09-01
被引用文献数
5

前報に続いて本報では, パプアニューギニア東セピック河下流域に分布するサゴヤシ林でのサゴヤシの繁殖, 並びにサッカー移植後幹立ち期までのロゼット期における生育状態について報告する.野生林の林床では落下した野生種のサゴヤシ種実が発芽して生長するが, 多収種の繁殖はすべて住民が行うサッカー移植による栄養繁殖であった.新たにサッカー移植した幼植物の調査から幹立ちまでの年数に変種間差が認められ, 最短でも4.5〜5年を要した.クランプ内のサッカー・幹立ち樹の樹齢別構成はクランプ間差が大きく, また幹立ち期に達したサッカーの少ないことが知られた.このことはサゴヤシ林内調査でも認められた.サッカーを間引き処理したクランプのその後のサッカー発生経過を調査し, その間引き作業を行う上の留意点を検討した.