著者
下道 郁子
出版者
東京音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

旧制第一高等学校の寮歌の研究を通して、戦前の日本人の音楽的感性が変化し、洋楽スタイルを指向したこと、また西洋音楽の受容と理論の学習が、これらの変化を進める要因となったことが考察された。そして教養教育による人間教育という教育理念の旧制高等学校においては、学友会や運動部による対抗試合等の課外活動が活発であり、この活動が寮歌という、音楽的にも社会的にも価値ある文化遺産を生み出したことが理解された。