著者
下野 洋平
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

乳がんでは、寛解後10年以上してからがんの転移性再発がみられることがある。このような再発には、転移先の臓器で細胞周期が停止した休眠状態を維持して潜在するがん細胞が関与するとされる。本研究では、ヒト乳がん組織を直接移植したヒト乳がん異種移植マウスのがん細胞の多くが細胞周期の停止したG0期にあること、がん細胞の細胞周期の停止と一次繊毛の有無には関連がないこと、およびケモカインレセプターCXCR4の発現低下が細胞周期の停止と関連することを解明した。さらに、ヒト乳がん異種移植マウスのがん細胞に特徴的な発現を示す一連のマイクロRNAを同定し、それらが制御する遺伝子およびシグナル伝達系の一端を解明した。