著者
澤 宗則 南埜 猛
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、日本におけるインド人移民社会とネパール人移民社会を比較しながら、「空間的実践」を分析することにより、エスニシティと空間との関係性を明らかにした。急増するネパール人経営の「インド料理」は、日本人から見れば「インド料理」であるが、「伝統的インド料理」の枠組みを超え、日本人の味覚にあわせて現地化する。安価な食材を使用し、サラリーマン、大学生や家族連れ向けに昼は安い定食屋、夜は安い居酒屋の位置づけである。これに対してインド人経営者が「これは全くインド料理ではない」と批判するなど、両者は単に同一市場における競合だけではなく、アイデンティティに関する対立となっている。
著者
梅谷 健彦
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.23-27, 1994-12

著者は低価格(1本当り約200円)で入手しやすい試薬を用いたカラーリバーサルフィルムの自家現像処理法を考案し,比較的良好な結果を得ているので紹介する。フィルムの現像処理は28℃の温度下で以下の手順で行う。1.第1現像液(フェニドン0.6g,ハイドロキノン8g,無水亜硫酸ナトリウム40g,炭酸ナトリウム1水塩46.8g,臭化カリウム2g,チオシアン酸ナトリウム2g,O.2%硝酸6ニトロベンズイミダゾール水溶液15mlを蒸留水に溶解して1000mlにした液), 13分。2. 流水で水洗5分。3.反転露光。4. 発色現像液(燐酸3ナトリウム12水塩40g,水酸化ナトリウム1Og,ベンジールアルコール5ml,硫酸エチレンジアミン6g,シトラジン酸2g,硫酸ジエチルパラフェニレンジアミン4gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),15分5.流水で水洗,5分。6. 清浄液(メタ重亜硫酸カリウム20gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),5分。7.流水で水洗,5分。8. 漂白液(フェリシアン化カリウム80g,臭化カリウム2g,燐酸2ナトリウム12水塩25.3g,炭酸ナトリウム1水塩4gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),8分。9.流水で水洗,5分。10. 定着液(ハイポ160g,メタ重亜硫酸カリウム10g,燐酸1ナトリウム2水塩11.6gを蒸留水に溶解して1000mlにした液),6分。11.流水で水洗8分。12. 安定液(ホルマリン6ml, ドライウェルなどの湿潤剤1Omlを蒸溜水に加えて1000mlにした液),1分。
著者
石井 香里
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要 (ISSN:18822851)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.65-76, 2009-09

セクシュアリティを含む生活上の問題は人権問題であるとの認識の下、セクシュアル・マイノリティの中でも特に女性カップルの生活に焦点をあて、彼女らの日常生活を描き出し、そこから女性が同性のパートナーと生活していくうえで、現実の生活においてどのような問題に直面しているのか明らかにし、合わせて問題解決に向けての当事者としての立ち位置ないしは姿勢や立場について検討、考察した。インタビューから同性パートナーと暮らしている本研究の対象者が、アイデンティティの問題やカミングアウトの問題、墓や生活保障の問題など、様々な生活上の問題を抱えていることが明らかにされた。次に、彼女らの抱えている「生きづらさ」について、「私」、「私と他者」、そして「私と社会」との関係において考察した。研究を通して、セクシュアリティに関連した様々な日常的な「生きづらさ」を抱えながらも、問題を先送りにし、誰かが世の中を変えてくれることを期待しないで待つ、という当事者の姿勢の一側面が明らかにされた。
著者
山本 康司
出版者
神戸大学
巻号頁・発行日
2019
著者
奥村 弘 市沢 哲 坂江 渉 佐々木 和子 平川 新 矢田 俊文 今津 勝紀 小林 准士 寺内 浩 足立 裕司 内田 俊秀 久留島 浩 伊藤 明弘 松下 正和 添田 仁 三村 昌司 多仁 照廣
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

大規模自然災害と地域社会の急激な構造転換の中で、歴史資料は滅失の危機にある。その保存活用を研究する新たな学として地域歴史資料学の構築をめざした。その成果は、第1に、地域住民もまた保存活用の主体と考え地域歴史資料を次世代につなぐ体系的な研究手法を構築しえたことにある。第2は、それを可能とする具体的な地域歴史資料の保存と修復の方法を組み込んだことである。第3は、科研の中間で起こった東日本大震災での地域歴史資料保存について理念と具体的な方法を提示するとともに、全国的な研究者ネットワークによる支援体制を構築したことである。第4は、地域歴史資料学をグローバルイシューとして国際的に発信したことである。