著者
下野 由貴
出版者
尾道大学
雑誌
尾道大学経済情報論集 (ISSN:13469991)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.251-266, 2008-06

日本には、全国各地にさまざまなご当地ラーメンが存在しているが、尾道ラーメンもそのひとつであり、観光産業の核としての期待も大きい。本研究は、尾道ラーメンが全国的なブランドへと発展していった要因について考察することを目的としている。ラーメン産業の発展は、伝統の味を受け継ぐ老舗ラーメン店や、全国への広告・宣伝に貢献した土産物メーカーの存在に加えて、産業発展の基盤を形成し、全国的展開の契機をつくった製麺会社の役割によって、実現したといえる。製麺業に特化し、ノウハウの伝達などによるサポートによって、自らの顧客であるラーメン店を開業・育成していくという製麺会社の事業の仕組み(事業システム)は、今日の尾道におけるラーメン産業に多大な影響を与えている。