著者
与古光 猛 久保 博 和泉 雅章 和田 晃 藤田 芳正 田中 善 白井 大禄
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.351-354, 1990-04-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
2

従来より使用されている上部より血液が滴下して流入する型の静脈側エアートラップチャンバーでは血液透析の時間経過と共にチャンバー内の液面が上昇する. この液面上昇の原因は液滴下による小さな気泡発生とその気泡のチャンバーよりの流出によるものであり, その流出量は血漿を用いて測定すると2時間当り最大約3.5mlと推定された. 一方, 静脈側エアートラップチャンバーの血液流入部を液面下に配すると, 気泡の発生・流出は全く見られず, また液面の上昇も認められなかった. 以上の成績から, 血液透析に用いる静脈側エアートラップチャンバーは血液流入部を液面下に配し気泡が発生しない型のものを使用する必要がある.