著者
池田 浩之 森下 祐子 茂木 省太 中井 嘉子 井澤 信三
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.47-56, 2012-01-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

精神障害者への就労支援は近年注目されつつあるが、その就職状況の実態は依然厳しく、支援プログラムや支援システムも確立されていない現状にある。特に、実践は進みつつあるものの、就労支援プログラムの効果については検証されていないといった課題がある。本研究は、就労移行支援施設に通う精神障害および発達障害者6名を対象に、SSTと心理教育を中心とする認知行動療法に基づいたプログラムを実施し、プログラムの効果を測定することを目的に行った。結果、精神的健康度に改善がみられたほか、自己効力感においても得点の上昇がみられたことからプログラムの有効性が示唆された。一方、障害種別によって効果の現れ方に違いがみられ、障害に対応したプログラムの作成の必要性が示唆された。また、本プログラムはパッケージ化されたものであるため影響要因の特定は定かではないことから、今後プログラム内容の精選や順序効果の確認などが課題として残された