著者
中井 正弥 中村 宏 河野 真治 田中 英彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1339-1340, 1989-03-15

我々は、時相論理型言語Tokioを中心とした、論理設計支援システム(図1)を構築中である。Tokioは時相論理に基づくため、順序性、並列性といった時間に関する記述が容易かつ厳密にでき、またアルゴリズムレベルからレジスタトランスファレベルまでの様々なレベルの動作記述が行なえるハードウェア記述言語である。従来から、動作記述からデータパスを自動生成する研究が行なわれているが結果の品質は必ずしも十分ではない。そこで、動作記述と構造記述は別々に与え、支援システムでそれらの間の整合性をチェックすることとする。このシステムにおける設計の流れは、以下の通りである。まず、設計者は設計したいハードウェアの動作アルゴリズムをTokioで記述する。シミュレーションなどで動作の確認をしながら記述を詳細化していき、Tokioをハードウェアとの対応が取り易いよう制限したRTL-Tokioのレベルまで落し、レジスタトランスファレベルの記述とする。設計者は同時にデータパス等の構造の記述をPrologで行なう。TokioはPrologを包含するのでこれもTokioで書かれることになる。その後、動作解析部において動作記述と構造記述との間の実現可能性をチェックし、さらにシミュレーションによる性能評価を経て回路合成、制御系合成へと進む。本稿では、この動作解析部の構成、処理の流れ、実行例などについて述べる。